火拳のエース
「ララ」
『あ…マルコ』
「なんちゅう面してんだよぃ」
『だって……』
「んな心配なら部屋、行ってろぃ」
『やだ!ここにいる!』
「だったらそんなしけた面してんなよぃ。土気が下がるだろ」
『ごめん…』
「ったく…」
ララはこれから起こるであろう戦いに不安を抱いているわけではない。
ただ単純にジンベエの身が心配なだけだった。
今だにエースとの決着がつかないということは、数日間ずっと戦い続けているということ。
無傷ではないだろう。
大きな怪我などしてなければいいが、と。
いつもなら書類仕事に追われているマルコも今回ばかりは甲板で厳しい表情をしている。
それもその筈。
敬愛する白ひげの首を狙う男の元へ向かっているのだから。
『あとどれくらいで着くの?』
「明日の昼には着くだろうよぃ」
『そっか…』
二人は何をするわけでもなく、正面を見据えて時間が過ぎていくのを待った。
長い一日が過ぎていくのを。
こんなにも長く感じた日は初めてだったのだろう。
ララやマルコ、隊長達は酒を嗜みながら時を待つ。
いつもだったら騒がしく呑む酒も、誰も騒ごうとはしない姿は異様な光景だった。
—————
—————
「おれの首をとりてェってのはどいつだ?望み通りおれが相手してやろう……!」
「!!」
辿り着いた島は荒れ果てた人の営みもない土地だった。
そこにジンベエとエースはいた。
どちらも傷だらけで互いに息も絶え絶えだ。
二人を囲うように、スペード海賊団のクルーだろうか。
心配そうにエースの行く末を見守っている。
そこへ、モビー•ディック号は姿を現す。
白ひげを筆頭にララやマルコ、隊長達十六人が船首に立ち並んで。
「白ひげ海賊団……!」
「俺は一人で構わねェ…。
——マルコ、手ェ出させるなよ 」
「了解」
白ひげは一人、船から降りて上陸する。
そしてスペード海賊団の何人かに攻撃をしかけた。
流石は四皇といったところだろう。
一撃、軽く喰らわせただけでクルー達は血を流してうめき声を上げた。
「ぎゃあああ…!!」
「お…お前ら…!!
——炎上網
」
白ひげに攻撃されていく仲間の姿を見てエースは表情を歪めた。
傷だらけの身体を起こし、自身の能力、メラメラの実の力で仲間と自分の間にメラメラ燃え上がる炎を生み出す。
これで彼の仲間はエースの元へは歩み寄れない。
「「「船長!!」」」
「エース船長ォ!!なにすんだよォ!」
「お前ら、逃げろ!!」
「………」
「ほぉ…」
エースのその行動に船首で見下ろしながら見ていたマルコは関心したように、顎髭を撫でて声を漏らした。
どうやら船長としての器は備わっているよう。
疲労した今の自分の身体では、白ひげに勝てる見込みなどない。
それはわかっているようだ。
せめて仲間の命だけでも、という考えからくる行動だろう。
.
『あ…マルコ』
「なんちゅう面してんだよぃ」
『だって……』
「んな心配なら部屋、行ってろぃ」
『やだ!ここにいる!』
「だったらそんなしけた面してんなよぃ。土気が下がるだろ」
『ごめん…』
「ったく…」
ララはこれから起こるであろう戦いに不安を抱いているわけではない。
ただ単純にジンベエの身が心配なだけだった。
今だにエースとの決着がつかないということは、数日間ずっと戦い続けているということ。
無傷ではないだろう。
大きな怪我などしてなければいいが、と。
いつもなら書類仕事に追われているマルコも今回ばかりは甲板で厳しい表情をしている。
それもその筈。
敬愛する白ひげの首を狙う男の元へ向かっているのだから。
『あとどれくらいで着くの?』
「明日の昼には着くだろうよぃ」
『そっか…』
二人は何をするわけでもなく、正面を見据えて時間が過ぎていくのを待った。
長い一日が過ぎていくのを。
こんなにも長く感じた日は初めてだったのだろう。
ララやマルコ、隊長達は酒を嗜みながら時を待つ。
いつもだったら騒がしく呑む酒も、誰も騒ごうとはしない姿は異様な光景だった。
—————
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「おれの首をとりてェってのはどいつだ?望み通りおれが相手してやろう……!」
「!!」
辿り着いた島は荒れ果てた人の営みもない土地だった。
そこにジンベエとエースはいた。
どちらも傷だらけで互いに息も絶え絶えだ。
二人を囲うように、スペード海賊団のクルーだろうか。
心配そうにエースの行く末を見守っている。
そこへ、モビー•ディック号は姿を現す。
白ひげを筆頭にララやマルコ、隊長達十六人が船首に立ち並んで。
「白ひげ海賊団……!」
「俺は一人で構わねェ…。
——マルコ、手ェ出させるなよ 」
「了解」
白ひげは一人、船から降りて上陸する。
そしてスペード海賊団の何人かに攻撃をしかけた。
流石は四皇といったところだろう。
一撃、軽く喰らわせただけでクルー達は血を流してうめき声を上げた。
「ぎゃあああ…!!」
「お…お前ら…!!
——炎上網
」
白ひげに攻撃されていく仲間の姿を見てエースは表情を歪めた。
傷だらけの身体を起こし、自身の能力、メラメラの実の力で仲間と自分の間にメラメラ燃え上がる炎を生み出す。
これで彼の仲間はエースの元へは歩み寄れない。
「「「船長!!」」」
「エース船長ォ!!なにすんだよォ!」
「お前ら、逃げろ!!」
「………」
「ほぉ…」
エースのその行動に船首で見下ろしながら見ていたマルコは関心したように、顎髭を撫でて声を漏らした。
どうやら船長としての器は備わっているよう。
疲労した今の自分の身体では、白ひげに勝てる見込みなどない。
それはわかっているようだ。
せめて仲間の命だけでも、という考えからくる行動だろう。
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