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宝珠

「オヤジ」
「…きたな、じゃじゃ馬が」
『ごめんなさい、パパ…
心配かけて』
「グララララ!
許可したのは俺だ」

気にするな、と言うように大きなその手でララの頭を撫でた。

やはり白ひげは彼女に甘いよう。

マルコは困ったように笑みを浮かべる。

「頼むからこれ以上ララを甘やかすなよぃ、オヤジ」
「グララララ!
そりゃ、出来ねェ相談だなァ」
「………」

マルコは頭を抱えた。

こうして白ひげが甘やかすから彼が厳しくしなければいけなくなる。

苦労が絶えない男だ。

『ねぇ、シャル。お話してくれるんでしょ?』
「ああ。
ニューゲート」
「なんだ」
「ここで話していいか?」
「………。
ああ、構わねェ」

白ひげにはシャルがこれから何を話すのか理解しているようだ。

場所を移動して内密に話した方がいいかとシャルは思ったようが、彼はここでいいと言う。

「ララ」
『ん?』
「お前の母親が残したそのネックレスだが…」
『え……これ?』
「ああ。
それは宝珠といってな、さっきの水龍の力が込められている」
『宝珠……?
ママのネックレスが?』
「ああ。宝珠はあと三つ、この世界のどこかに散らばってる。それを集めるのが風神の神子の使命、だった」
『?
だった…?』

ララは首を傾げた。

過去形で話すシャルに。

今は違うのか、と。

「前にも言ったが、ステリア族はもうお前だけしかおらん。だからその役目を果たせとは言わない」
『………』
「だが、もしお前が力をつけたいと思うならば全面的に俺は協力しよう」

風神の神子。

それは嫌な記憶を甦らせる。

出来ることならシャルは彼女をこの使命から逃れさせたかった。

宝珠は持っているだけでは何の力もない。

名を呼んで初めてその主君となる。

だからシャルはララが何故、海面に立てるのか、その度に聞こえる声の主が誰なのか、彼女に伝えることは一切してこなかった。

そうすることで水龍の存在をララに気づかれずに済めば、と淡い期待を抱いて。

結局彼女自身で導き出してしまったのだが。

『………。
本当だったら…
私がしなきゃいけないことなんだよね?』
「それはまあ…そうだが…」
『だったら私やるよ。皆んなが守ってくれた命だもん。使命を果たさなきゃ』
「……そうか。
残ってる宝珠はあと火龍、土龍、雷龍の三つだ。どこにあるのかはわからんが、それを捜さねばならん」
「マルコ、手を貸してやれ」
「………。
…わかったよぃ」

マルコは渋々ながら白ひげの命令に頷いた。

ララの決断に納得がいっていないよう。

宝珠にはそれぞれ水、火、雷、土の力が宿っている。

さっきララが呼び寄せたのは水龍。

つまり水を司る。

海水や水を自在に操れるということだ。

能力者が数多くいるこの世界でその力は強大となるだろう。

それに彼女はまだ気付いていない。


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