覚醒
「傷治すかぃ?」
『うん。あ、でも…』
「?」
『シャワー浴びてからがいい』
「ダメだよぃ。滲みるだろ」
『えー…平気だよ。かすり傷だし』
「ダメだ」
『むぅ…けち!』
稽古の後はいつもマルコに傷を治してもらうというのがララの日課だった。
彼が口にした悪魔の実、トリトリの実モデル〝不死鳥(フェニックス)〟は不死鳥に身を変えることができ、青い再生の炎を身に纏う。
いかなる攻撃を受けても再生できるという唯一無二の能力を持っていた。
その再生の炎を他者に当てることで再生し、傷を治すことが可能。
傷を治すというよりは自然治癒能力が上がると言った方が正しいかもしれない。
その能力を使ってマルコは稽古から傷だらけになって帰ってくるララの身体を毎日治している。
小さな傷程度であれば再生の炎を当てるだけで傷はすぐ治ってしまう。
彼がいるからララは毎日稽古で傷ついても怒られない。
でなければ可愛い妹にビスタが傷をつけることはしないだろう。
『気持ちいい…』
マルコのベッドに腰掛け、再生の炎に当たるララ。
心地良さげに目を瞑っていた。
熱さはない。
「……お前ェはお転婆に育ったねぃ。毎日傷を作りやがって」
『しょうがないじゃん。稽古なんだし…』
「俺達がいるんだからお前ェは必要以上に強くなる必要なんてねェんだよぃ」
『でも…強くなりたいよ。私は』
「そりゃ結構なことだが、焦りすぎだよぃ。ゆっくりでいい。
お前ェはまだ若いだからよぃ」
『うん……。わかってる』
「ほんとかねぃ…。
——ほれ、治ったよぃ」
マルコは困ったように目尻を下げ、笑みを溢しながら言った。
同時にララの治療が終わったよう。
再生の炎がマルコから消える。
彼女の頬や腕にあった小さな傷は再生し、その美しい目鼻立ちが彼の青い瞳に映った。
ララはニカッと嬉しそうに向日葵のような暖かい笑顔を浮かべる。
『ありがとう』
「シャワー浴びるんだろぃ」
『うん。汗でベトベトなの。
マルコの借りていい?」
『ああ。構わねェよぃ』
「やった!」
ララはベッドから飛び上がり、マルコの部屋に備えつけてあるバスルームへと足を運ぶ。
白ひげ海賊団では隊長格の者はバスルーム付きの個室が与えられる。
それ以外のクルー達は大部屋で就寝し、大浴場で汗を洗い流す。
それがこの船の序列だ。
だが、ララは隊長でもない。
マルコと白ひげの配慮で、彼女には幼い頃から個室が与えられていた。
彼の部屋の隣という後ろ盾付きで。
だからララは時折、マルコの治療を受けた後に流れでシャワーを借りることがある。
彼は平然とした顔で彼女のその背中を見送った。
そして自分が部屋を出ようとした理由を思い出し、静かに部屋を出る。
コーヒーを淹れる為に厨房へと。
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『うん。あ、でも…』
「?」
『シャワー浴びてからがいい』
「ダメだよぃ。滲みるだろ」
『えー…平気だよ。かすり傷だし』
「ダメだ」
『むぅ…けち!』
稽古の後はいつもマルコに傷を治してもらうというのがララの日課だった。
彼が口にした悪魔の実、トリトリの実モデル〝不死鳥(フェニックス)〟は不死鳥に身を変えることができ、青い再生の炎を身に纏う。
いかなる攻撃を受けても再生できるという唯一無二の能力を持っていた。
その再生の炎を他者に当てることで再生し、傷を治すことが可能。
傷を治すというよりは自然治癒能力が上がると言った方が正しいかもしれない。
その能力を使ってマルコは稽古から傷だらけになって帰ってくるララの身体を毎日治している。
小さな傷程度であれば再生の炎を当てるだけで傷はすぐ治ってしまう。
彼がいるからララは毎日稽古で傷ついても怒られない。
でなければ可愛い妹にビスタが傷をつけることはしないだろう。
『気持ちいい…』
マルコのベッドに腰掛け、再生の炎に当たるララ。
心地良さげに目を瞑っていた。
熱さはない。
「……お前ェはお転婆に育ったねぃ。毎日傷を作りやがって」
『しょうがないじゃん。稽古なんだし…』
「俺達がいるんだからお前ェは必要以上に強くなる必要なんてねェんだよぃ」
『でも…強くなりたいよ。私は』
「そりゃ結構なことだが、焦りすぎだよぃ。ゆっくりでいい。
お前ェはまだ若いだからよぃ」
『うん……。わかってる』
「ほんとかねぃ…。
——ほれ、治ったよぃ」
マルコは困ったように目尻を下げ、笑みを溢しながら言った。
同時にララの治療が終わったよう。
再生の炎がマルコから消える。
彼女の頬や腕にあった小さな傷は再生し、その美しい目鼻立ちが彼の青い瞳に映った。
ララはニカッと嬉しそうに向日葵のような暖かい笑顔を浮かべる。
『ありがとう』
「シャワー浴びるんだろぃ」
『うん。汗でベトベトなの。
マルコの借りていい?」
『ああ。構わねェよぃ』
「やった!」
ララはベッドから飛び上がり、マルコの部屋に備えつけてあるバスルームへと足を運ぶ。
白ひげ海賊団では隊長格の者はバスルーム付きの個室が与えられる。
それ以外のクルー達は大部屋で就寝し、大浴場で汗を洗い流す。
それがこの船の序列だ。
だが、ララは隊長でもない。
マルコと白ひげの配慮で、彼女には幼い頃から個室が与えられていた。
彼の部屋の隣という後ろ盾付きで。
だからララは時折、マルコの治療を受けた後に流れでシャワーを借りることがある。
彼は平然とした顔で彼女のその背中を見送った。
そして自分が部屋を出ようとした理由を思い出し、静かに部屋を出る。
コーヒーを淹れる為に厨房へと。
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