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『スゥ……スゥ……』
「寝ちまったな」
「ああ。色々あったからねぃ…」

オムライスを平らげ、空腹が満たされるとララはマルコの膝に頭を預けて無防備な寝顔を浮かべていた。

時刻は深夜を過ぎている。

宴でどんちゃん騒ぎしていたクルー達は散り散りになり、甲板にはもう数人しか残っていない。

マルコとサッチは彼女の寝顔を酒のつまみに談笑していた。

「にしても可愛い顔してんな。こりゃ、将来が楽しみだ」
「手ェ出すなよぃ」
「ばーか、そんな飢えちゃいねェよ」

サッチはララの寝顔をまじまじと見つめた。

月夜に照らされて輝く銀髪に白い肌、すっと通った鼻筋、血色いい桃色の唇、その全てが愛らしく、どう成長しても将来間違いなく美しい女性に成長するだろう。

ほっといたら悪い虫が寄りつくこと、違いない。

マルコがそれを許すとは思えないが。

サッチは彼がララを過保護に守る未来がこの時見えた。

「オヤジの知り合いの子だって?」
「ああ。らしいよぃ。
よくは知らねェが」
「ふーん……

——俺はそろそろ寝るぜ。流石に眠い」

サッチは眠たげに欠伸をしながら立ち上がった。

マルコは動かない。

いや、動けなかった。

膝の上で眠るララを起こしてしまいそうで。

彼は困ったような笑みを浮かべながら彼女を見つめる。

骨ばったその大きな手でララの髪を優しく撫でながら。

「その子の部屋、どうすんだ?
ナースと一緒ってわけにはいかねェだろ」
「しばらくは俺の部屋で寝かせるよぃ」
「まあ、それがいいだろうな。野郎共と一緒じゃ教育上悪い」

白ひげ海賊団では隊長格には個室が与えられる。

それ以外のクルー達は部屋はなく、寝るだけの大部屋が用意されていた。

むさ苦しい男共の中にララを放り込んだら悪さをする輩が必ず出てくるだろう。

サッチはそれを懸念していた。

ナース達の大部屋も同様だ。

恐らく男共達よりは可愛がってくれるだろうし、世話もちゃんとするだろう。

だが、彼女達はお世辞にも清らかな女性達ではない。

純粋なララには少し刺激が強すぎるだろう。

マルコの部屋が一番安全だ。

サッチは彼女の寝顔を一瞥してから自室へと戻っていった。

マルコもグラスに入った酒を飲み干してからララを起こさないよう、そっと抱き上げて自室へと消えていく。

その夜、彼女はマルコの暖かな腕の中で眠り続けた。


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