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その夜。

ララとシャルの歓迎の宴が開かれた。

白ひげとシャルは積もる話でもあるのだろう。

酒を酌み交わし、昔話に花を咲かせている。

クール達は気を遣って彼には誰も近づかない。

「ほらよ、嬢ちゃん。
サッチ様特製、オムライスだ。食べな」

一方のララはコック服を身に包んだ茶髪のリーゼント頭の男、四番隊隊長のサッチに料理を差し出されていた。

真っ白なお皿に黄金に輝くオムライス。

彼女は初めて見るその料理にキラキラ、と目を輝かせていた。

『わぁっ…
きれー…ほうせきみたい!!』
「だっはっはっは!!
宝石か、そりゃいい!!」
『これ、おじちゃんが作ったの?』
「サッチだ。
眺めてないで食ってみろ。美味ェぞ」

子供らしいその感想にサッチは声を上げて笑った。

ララはオムライスなどという洒落た食べ物は食べたことも、見たこともない。

島では山菜を炒めただけのものなど全体的に茶色い食事が多かった。

だからだろう。

この色鮮やかなオムライスに瞳をキラキラ輝かせているのは。

サッチに促され、彼女はゆっくりとオムライスを口に運ぶ。

みるみるうちにララの表情は輝くような笑顔になった。

『!
おいしい!』
「だろ?」


「「「かぁわぁいいなぁー!!」」」

強面の男達がララを囲んで表情をデレデレ、と緩めていた。

無知で無邪気な彼女が可愛くて仕方ないのだろう。

とても何億もの賞金首の男達には見えない。

「邪魔するよぃ」
『あ!マルコ!』
「楽しんでるかぃ?」
『うん!!
サッチがね、きいろいの作ってくれたの!!』
「……きいろ?
ああ……オムライスかぃ」
『マルコもたべる?
おいしーよ!』
「じゃあ、一口もらうかねぃ」

そう言ってマルコはララの手に握られたスプーンを奪い、食べかけのオムライスを口にした。

初めて見るマルコが子供と接する姿。

あまり笑った表情を見せない彼だったが、彼女には目を細めた優しい笑顔を見せる。

クルー達は驚いて目を丸くした。

「……うめェよぃ」
『もっとたべて!』
「そしたらお前ェの食うもん無くなっちまうだろぃ」
『あ』
「俺はいいから食べろよぃ」
『うん!

——それなぁに?わたしものむ!』

ララはマルコの手に握られた酒を興味深そうに瞳に映す。

小さなその手をグラスに伸ばそうとした。

だが……。

「おっと…
お前ェにはまだ早ェよぃ」
『むぅ…
けち!』

マルコはララの手からグラスを遠ざけた。 

彼女は子供らしく頬を膨らまし、むくれる。

理解力があり、賢い子ではあったがこういう所は子供らしかった。

二人の親子のようなやりとりにサッチは黙って笑みを溢す。

海賊見習いの頃から付き合いのある彼は久々に見る気の抜けたマルコの表情に昔を懐かしんだ。


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