家族
「簡単に言えば俺にはララを守る役目がある」
「ほぉ…。
その翼はその為かぃ?」
「ああ」
『あのね!シャル、ちっちゃくなれるんだよ!』
「は?
ちっちゃく…?」
ララは白ひげの膝に座りながらニコニコ、笑顔を浮かべて唐突に言った。
彼女の言葉にマルコは目を大きく見開く。
彼はまだ普段のシャルの姿を知らない。
神獣化したこの姿しか見たことがなかった。
『シャル』
「ああ」
シャルに声をかけ、合図をするララ。
頷いたシャルは目を瞑って、気を集中させた。
するとその大きな身体は青白く光り、みるみるうちにちいさくなっていく。
真っ黒な黒猫の姿に。
「なっ…」
「グララララ、相変わらず間抜けな姿だなァ」
「ほっとけ…」
世界広しといえど、シャルのように体格を自在に操れる生物はマルコは初めて目にした。
驚いて言葉を失っている。
感情をあまり表に出さない彼には珍しいことだ。
『びっくりした?』
「ぁ、ああ…。
驚いたよぃ」
「マルコ隊長!!」
呆気にとられるマルコにララはコロコロ、と歌うように笑っていたその時。
彼を呼ぶクルーの声がした。
マルコがそちらに視線を向ける。
「どうしたよぃ」
「積荷、全て積み終わりました!
いつでも出航出来ます」
「今行くよぃ」
「待て」
「?
ん?」
声をかけたのは一番隊のクルーだった。
僅かばかりの島の物資を船に積み終えたという、報告の話だったようだ。
マルコがその場を動こうとしたその時。
シャルが静かに呼び止める。
「出航前にやりたいことがある。ララも来い」
『え…ぅん…?』
シャルは小さなその身体で先導して港のある海岸へと歩いていく。
ララは白ひげの膝から飛び降り、その後に続いた。
マルコに抱きかかえられながら。
—————
—————
「何をするつもりだぃ?」
「……ララ」
『?
なぁに?』
「島にシールドかけられるか?」
『え、うん。
たぶん…?』
「シールド?」
「見てろ」
マルコに抱きかかえられていたララだったが、ゆっくりと砂浜に降ろされる。
彼女は好奇の視線を向けられながら、数歩歩み出した。
そして両手を前に突き出す。
『——プロテクト——』
そうララが唱えた声が静かに響く。
その瞬間。
アーテリア島全体に薄いヴェールのような、もやがドーム型に覆われた。
『……えっと…。
これでいいの?』
「ああ、充分だ。
不死鳥」
「ん?
なんだよぃ?」
「触れてみろ」
「?
ぁ、ああ…」
マルコはシャルに促され、ララが発生させたそのヴェールに触れようとした。
だが……。
——バチッ——
その侵入を弾かれる。
まるで電気が走ったかのように。
「……っ…!」
「正常に機能してるようだな」
「なんなんだよぃ?これは…」
「保険だ」
「?
保険?」
「このシールドはステリア族しか通れない。万が一、また政府が島に来たとしても島を荒らされずに済む。
これ以上奴等に好き勝手されてたまるか」
「…そういうことかぃ」
この日、ララとシャルはモビー•ディック号に乗船した。
マルコや白ひげに蝶よ花よ、と愛されて育った彼女は純粋な少女へと成長していった。
少しお転婆ではあるが、美しい美貌のまま。
いつからだろうか。
マルコが彼女を妹から女へと意識し始めたのは。
彼自身もわからない。
.
「ほぉ…。
その翼はその為かぃ?」
「ああ」
『あのね!シャル、ちっちゃくなれるんだよ!』
「は?
ちっちゃく…?」
ララは白ひげの膝に座りながらニコニコ、笑顔を浮かべて唐突に言った。
彼女の言葉にマルコは目を大きく見開く。
彼はまだ普段のシャルの姿を知らない。
神獣化したこの姿しか見たことがなかった。
『シャル』
「ああ」
シャルに声をかけ、合図をするララ。
頷いたシャルは目を瞑って、気を集中させた。
するとその大きな身体は青白く光り、みるみるうちにちいさくなっていく。
真っ黒な黒猫の姿に。
「なっ…」
「グララララ、相変わらず間抜けな姿だなァ」
「ほっとけ…」
世界広しといえど、シャルのように体格を自在に操れる生物はマルコは初めて目にした。
驚いて言葉を失っている。
感情をあまり表に出さない彼には珍しいことだ。
『びっくりした?』
「ぁ、ああ…。
驚いたよぃ」
「マルコ隊長!!」
呆気にとられるマルコにララはコロコロ、と歌うように笑っていたその時。
彼を呼ぶクルーの声がした。
マルコがそちらに視線を向ける。
「どうしたよぃ」
「積荷、全て積み終わりました!
いつでも出航出来ます」
「今行くよぃ」
「待て」
「?
ん?」
声をかけたのは一番隊のクルーだった。
僅かばかりの島の物資を船に積み終えたという、報告の話だったようだ。
マルコがその場を動こうとしたその時。
シャルが静かに呼び止める。
「出航前にやりたいことがある。ララも来い」
『え…ぅん…?』
シャルは小さなその身体で先導して港のある海岸へと歩いていく。
ララは白ひげの膝から飛び降り、その後に続いた。
マルコに抱きかかえられながら。
—————
—————
「何をするつもりだぃ?」
「……ララ」
『?
なぁに?』
「島にシールドかけられるか?」
『え、うん。
たぶん…?』
「シールド?」
「見てろ」
マルコに抱きかかえられていたララだったが、ゆっくりと砂浜に降ろされる。
彼女は好奇の視線を向けられながら、数歩歩み出した。
そして両手を前に突き出す。
『——プロテクト——』
そうララが唱えた声が静かに響く。
その瞬間。
アーテリア島全体に薄いヴェールのような、もやがドーム型に覆われた。
『……えっと…。
これでいいの?』
「ああ、充分だ。
不死鳥」
「ん?
なんだよぃ?」
「触れてみろ」
「?
ぁ、ああ…」
マルコはシャルに促され、ララが発生させたそのヴェールに触れようとした。
だが……。
——バチッ——
その侵入を弾かれる。
まるで電気が走ったかのように。
「……っ…!」
「正常に機能してるようだな」
「なんなんだよぃ?これは…」
「保険だ」
「?
保険?」
「このシールドはステリア族しか通れない。万が一、また政府が島に来たとしても島を荒らされずに済む。
これ以上奴等に好き勝手されてたまるか」
「…そういうことかぃ」
この日、ララとシャルはモビー•ディック号に乗船した。
マルコや白ひげに蝶よ花よ、と愛されて育った彼女は純粋な少女へと成長していった。
少しお転婆ではあるが、美しい美貌のまま。
いつからだろうか。
マルコが彼女を妹から女へと意識し始めたのは。
彼自身もわからない。
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