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家族

その夜。

マルコ達は島に残った使える物資をかき集めた。

僅かでも長い船旅には貴重な品だ。

「いいのかぃ?本当に全部貰ってて…」
「かまわん。置いてっても腐らすだけだ」
「助かるよぃ。
……嬢ちゃんは?」
「港だろう」

泣き疲れてマルコの腕の中で眠っていたララだったが、目を覚ますと何処かに消えていた。

彼女は白い砂浜が広がる港に一人、佇んでいる。

夜空に広がる満天の星空が夜の海に浮かび上がって幻想的な景色がララの瞳に映っていた。

アーテリア島では天気のいい日の夜はいつもこの景色を見ることが出来る。

マルコはララを探し求め、港に来ていた。

この幻想的な景色に目を奪われながら。

「綺麗だねぃ…」
『………おじちゃん』
「マルコだと言っただろぃ」
『…えっと…
…マル…コ…?』

ララは気恥ずかしいそうにマルコの名を初めて呼んだ。

嬉しそうに彼は頷いて、その頭を優しく撫でる。

「しっかり目に焼き付けとくんだよぃ」
『………もう…かえってこれないの?』
「そんなことはねェが、しばらくは来れねェよぃ」
『………』
「寂しいかぃ?」
『…わかんない』

ララが目覚めた時にマルコは彼女に白ひげの船に乗船することを伝えた。

少し驚いたようだが、ララはそれをすんなり受け入れる。

同世代の子供と比べるとやけに理解力があった。

おそらく、育った環境のせいだろう。

周りに大人達しかいない環境は彼女を成長させる。

「…まぁ、どうしても帰りたくなったら俺が連れてってやるよぃ」
『ほんと?』
「男に二言はねェよぃ」
『ありがとう!!』

天使のような笑みを浮かべてララはマルコに抱きついた。

彼は笑みを溢しながらその小さな身体を抱き上げる。

この時からマルコは彼女に甘かったかもしれない。

ララのこの可憐な笑顔にはいつも逆らえなかった。

「明日の昼頃には船がくるよぃ」
『くじらさんの?』
「ああ。
大所帯だが、気のいい奴らばかりだよぃ」
『………』
「不安かぃ?」
『……すこし』
「じき慣れるさ」

マルコはララを抱きかかえながら砂浜をゆっくり歩く。

その姿は兄弟というより、親子のよう。

緩やかなその揺れはゆりかごのようで、彼女の瞼が次第に閉じていく。

数分後には彼の腕の中ですやすや、と寝息を立てて眠ってしまった。

次にララが目を覚ましたのは翌朝のこととなる。

マルコや一番隊のクルー達はその夜、まだ辛うじて生活できる民家に身を寄せて一夜を過ごした。

モビー•ディック号の到着を待ちながら。


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—————

翌日。

モビー•ディック号が島に着いたのは昼過ぎだった。

マルコはすぐさまシャルとララを連れて船に乗船する。

「オヤジ」
「グララララ、来たな」

甲板には白ひげが待ち構えていたかのように、椅子に座って二人と一匹を出迎えた。

シャルは懐かしむように目を細め、彼もそれに応える。

優しい表情だった。

初めてみる白ひげのその表情にマルコは少し驚いたように目を見開く。


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