生き残り
「悪かったねぃ、どこも連れてってやれねェで」
『?
連れてってもらってるよ?』
「仕事のついでだろぃ。ちゃんと時間作ってやれてねェ」
『しょうがないよ、お互い忙しいし』
ララは気の抜けた笑顔を浮かべた。
強がっているわけではなさそう。
マルコとしては有難い話だが、恋人としては少し寂しさもあるようだ。
彼は一瞬、表情に翳りを見せた。
『?
マルコ…!』
「いや…
メシはどうするよぃ?」
『え…あぁ…
色々食べちゃったからあんまりお腹すかないや』
「だろうねぃ。酒場でも行くか?
誰かしら知った顔がいるだろぃ」
『うん。行く』
海賊の行く場所といえば酒場か娼館かカジノしかない。
日も暮れ、夕食時のこの時間には見慣れた顔触れが多いだろう。
二人は酒場へと歩を進める。
木造造りの年季の入った大きな酒場は賑わっていた。
外からも騒がしい声が漏れている。
「お。
よぉ、マルコ。メシか?」
「ああ」
「…おっと。ララも一緒か」
酒場に入ると、見知った顔がやはりちらほらいた。
マルコに気づいたサッチが声をかける。
彼の背に隠れて見えなかったララだったが、すぐに気づかれた。
マルコの背の後ろからひょっこり顔を出し、彼女は笑みを浮かべる。
『サッチもご飯?』
「ん?ああ…
デート楽しめたか?」
『え…なんで…』
ララはサッチが何故知っているのか、と不思議そうに声を漏らした。
彼だけでなく、白ひげのクルー達の殆どが昨夜二人がデートしていたのを知っている。
何人か二人の姿を見た者がいたのだろう。
1500人以上も家族がいれば人づてに噂は広まる。
「なに当たり前ェなこと言ってんだ。皆んな知ってるぜ?」
『え、そうなの…?』
「ああ」
ララはチラリ、と横目でマルコを見た。
彼が言いふらしたとでも思っているのだろう。
「……なんだよぃ?
俺は言ってねェぞ。誰か見た奴がいんだろ」
『そっか…』
よくよく考えればマルコは自分の話を語るような人間ではない。
付き合いの長いララであれば、そんなことわかりきっている筈だ。
だが、今の彼女は頭が働いていない様子。
完全にオフモードなのだろう。
どこかぼんやりしている。
「一緒に呑むか?」
『えっと…』
「………一杯だけだよぃ」
『いいの?』
「ああ。今日は俺がいるからねぃ」
『やった!』
ララは再度マルコをチラ見して、強請るような視線を送った。
仕方無しと言った感じで彼は渋々、首を縦に振る。
別に許可などとらずに勝手に呑めばいいと思ってしまうのだが、マルコは酒場で酒を呑むこと自体を快く思っていない。
悪い虫が寄り付く、とでも思っているのだろう。
それに酒場は娼婦も利用する。
教育上、あまりよろしくない。
「過保護だなァ。嫌われるぞ」
『うるせェよぃ』
マルコの心境を理解したサッチは呆れ顔で目を細めた。
恋人同士になっても過保護っぷりは変わらない。
普通、嫌気が差しても不思議ではないだろう。
だが生憎、ララは男を知らない。
これが普通、だとでも思っているのだろう。
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『?
連れてってもらってるよ?』
「仕事のついでだろぃ。ちゃんと時間作ってやれてねェ」
『しょうがないよ、お互い忙しいし』
ララは気の抜けた笑顔を浮かべた。
強がっているわけではなさそう。
マルコとしては有難い話だが、恋人としては少し寂しさもあるようだ。
彼は一瞬、表情に翳りを見せた。
『?
マルコ…!』
「いや…
メシはどうするよぃ?」
『え…あぁ…
色々食べちゃったからあんまりお腹すかないや』
「だろうねぃ。酒場でも行くか?
誰かしら知った顔がいるだろぃ」
『うん。行く』
海賊の行く場所といえば酒場か娼館かカジノしかない。
日も暮れ、夕食時のこの時間には見慣れた顔触れが多いだろう。
二人は酒場へと歩を進める。
木造造りの年季の入った大きな酒場は賑わっていた。
外からも騒がしい声が漏れている。
「お。
よぉ、マルコ。メシか?」
「ああ」
「…おっと。ララも一緒か」
酒場に入ると、見知った顔がやはりちらほらいた。
マルコに気づいたサッチが声をかける。
彼の背に隠れて見えなかったララだったが、すぐに気づかれた。
マルコの背の後ろからひょっこり顔を出し、彼女は笑みを浮かべる。
『サッチもご飯?』
「ん?ああ…
デート楽しめたか?」
『え…なんで…』
ララはサッチが何故知っているのか、と不思議そうに声を漏らした。
彼だけでなく、白ひげのクルー達の殆どが昨夜二人がデートしていたのを知っている。
何人か二人の姿を見た者がいたのだろう。
1500人以上も家族がいれば人づてに噂は広まる。
「なに当たり前ェなこと言ってんだ。皆んな知ってるぜ?」
『え、そうなの…?』
「ああ」
ララはチラリ、と横目でマルコを見た。
彼が言いふらしたとでも思っているのだろう。
「……なんだよぃ?
俺は言ってねェぞ。誰か見た奴がいんだろ」
『そっか…』
よくよく考えればマルコは自分の話を語るような人間ではない。
付き合いの長いララであれば、そんなことわかりきっている筈だ。
だが、今の彼女は頭が働いていない様子。
完全にオフモードなのだろう。
どこかぼんやりしている。
「一緒に呑むか?」
『えっと…』
「………一杯だけだよぃ」
『いいの?』
「ああ。今日は俺がいるからねぃ」
『やった!』
ララは再度マルコをチラ見して、強請るような視線を送った。
仕方無しと言った感じで彼は渋々、首を縦に振る。
別に許可などとらずに勝手に呑めばいいと思ってしまうのだが、マルコは酒場で酒を呑むこと自体を快く思っていない。
悪い虫が寄り付く、とでも思っているのだろう。
それに酒場は娼婦も利用する。
教育上、あまりよろしくない。
「過保護だなァ。嫌われるぞ」
『うるせェよぃ』
マルコの心境を理解したサッチは呆れ顔で目を細めた。
恋人同士になっても過保護っぷりは変わらない。
普通、嫌気が差しても不思議ではないだろう。
だが生憎、ララは男を知らない。
これが普通、だとでも思っているのだろう。
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