曙光〜彼奴と俺と蔵から出された日
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「なにを——」
審神者の熱い吐息が俺の耳元にかかった。何をするつもりだ!? そう言いかけて言葉を飲んだ。
「知れたこと、お前はわたしの所有物好きにすることの何が悪い?」
「審神者、何か勘違いをしてないか? だいたい男同士でこんな事——」
「ここには男しかおらぬ、わたしはその方が好みゆえ、またここの刀はすべからく男よ」
何故か自分の方が大柄なのにこの審神者に組み敷かれると力が入らないのだ。
「待てっ審神者! こんな事をしても俺の心は掴めぬぞ!」
「蔵に入れられていた渇きは人肌でしか癒せぬ、大人しくわたしのものになるがよい」
そう言うと俺の薄い唇を割って審神者の生暖かい舌が口内に入ってきた。一瞬、俺は何をされているのか分からず抵抗すら出来なかった。やがて舌が舌を絡めとり、熱い唾液が流れ込んできて、思わず俺はそれを飲み込む。甘い感覚、何か大きなものが俺を追い立てるようで身体の中心が、とても、あつい。審神者に口を犯されたのだ。ゆっくりと審神者は口付けを止めると、唇の端からどちらのものかわからぬ唾液が糸を引いた。その淫靡さに俺はぞくりとした。
「んっ」
「どうした? 大典太光世、顔が赤いぞ、それに——」
審神者は驚くべきことに俺の股間をまさぐった。
「もうこんなにしてるのか? 気の早い奴だな」
俺は自分の昂りを見て驚愕した。男に口を吸われてこんなになるなんて……
「まだそこは弄らんぞ?」
そう言って審神者は俺の硬い髪を掻き分けると耳を舌でなぞり始めた。またぞわぞわと何か立ち昇ってくる感覚に身をよじらせると、それを逃さぬようにと審神者の腕が俺の頭をかき抱いた。ますます審神者が俺の耳を攻める、思わず声が出た。
「ん、あっ……」鼻にかかった甘い声。
そっと審神者の歯が俺の耳を噛んだ。
じわりと先走りが漏れたのが分かった。嫌だこんな事、折角蔵から出られると思ったら男の慰みものにされるなんて。審神者は刀は沢山あると言っていたが、そいつらに皆こんなことしているのか……男色家の持ち主とは思わなかった。悔しさに涙を堪える。
「どうした? 泣いているのか」
「泣いてなど、アンタみたいな男色家に所有されているのか皆?」
「違う、お前を抱くのはお前が気に入ったからだ」
意外な審神者の返答に俺は戸惑った。
「俺を気に入った?」
審神者は頷いた。
「滅多な事でわたしは手前の刀を手篭めにはせぬ、蔵から出そうとしてあまりにお前が美しかったゆえ……」
「俺が美しい?」
「お前は気付いていないだけだ、大典太光世」