学生時代
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寮の寝室にあるの大きな窓から覗く陽が部屋中央の卓上にある瓶を照らす。瓶の中に入る液体が陽の光でキラキラと乱反射して美しい。そんなことを考える麗らかな午後のひと時。私はルームメイトが調合したという液体……そう、魔法薬とにらめっこしていた。
「なんでこんな厄介なもの受け取っちゃったかなぁ……」
時は遡ること数時間前……。
私は先日拾ったニフラーのお世話をニュートくんと一緒にしようと身支度を整えているところだった。寝室の扉が勢いよく開く。
「やぁっっと出来たわ!!」
扉を開けた張本人。ルームメイトの彼女が液体の入った小瓶を掲げていた。彼女といえば怪しい魔法薬を調合するで有名な私と同じはぐれ者、その小瓶の中身も魔法薬であろうということは容易に想像できた。
「はぁ……今度は何を作ったの?」
「ふふふ……聞いて驚かないでね? なんと今回は……惚れ薬を作っちゃた♡」
「ほ、惚れ薬!? 惚れ薬ってホグワーツでは禁じられた魔法薬だよ!?」
「そんなの知ってるわよ! でもこれ、すごい効くわよ! 私のお墨付き♡」
そう言って彼女は私にその小瓶を押し付けた。
「これを使ってニュートくん? だっけ? お近付きになっちゃえ!」
「は、はぁ!?」
「じゃあ、私はこれから授業があるから! まったね〜!」
開いたままだった扉を勢いよく閉めて出ていった彼女はまるで嵐のようだった。
そうして受け取ってしまった惚れ薬をどう処理しようと悩むこと数時間……今に至るという訳だ。
黙って捨てるのは忍びないし、だからと言って使うだなんて論外だ。
「って時間!! 今何時!?」
ニュートくんを待たせていることをすっかり忘れていた私は、時計に勢いよく目をやる。
時刻は十六時ちょうどを回ったところで、待ち合わせの時刻をとうに過ぎていた。
「わわわっ! 急がなきゃ!」
焦っていた私は何も考えずに惚れ薬をローブのポケットに詰め込みその場を後にしたのだった。
***
待ち合わせ場所……いつもの物置部屋に辿り着くと、私は上がった息を整える。
当たり前のようにニュートくんは既に来ておりニフラーの世話をしているところだった。
「ごめん、ニュートくん! 大遅刻した……」
「気にしないで、君なら来るってわかってたから」
ニュートくんはそう言って私に微笑みながら視線を送る。
優しい彼の大人な対応に年上の私は涙が出そうだった。
「それより、それ何? 魔法動物に効く魔法薬?」
観察力に優れたニュートくんは、目敏く私のローブのポケットから飛び出した惚れ薬の瓶を指さす。
今考えれば部屋に置いてくればよかったものを、なんで厄介なものを持ってきちゃったかなあ!?
最初はこの魔法薬の正体について隠そうかと思ったけれど呆気なくバレる未来が見えたので私は正直に答えることにした。
「これは……私のルームメイトが調合した惚れ薬です……」
「惚れ、薬……?」
その場がしんと凍りつく。
なにか喋って、ニュートくん! 沈黙はしんどいよ!
そんな思いから私は咄嗟に口を開いた。
「違うの! 誰かに使うとかじゃなくて、ルームメイトが興味本位で作ったというか? それをたまたま受け取っちゃったっていうか!?」
「お、落ち着いて……」
「う、うん……」
「本当に誰かに使うつもりじゃ無かったんだね?」
「も、勿論!」
「そっか、良かった。君にそういう相手がいるのかと焦っちゃったよ」
安堵の微笑みを浮かべるニュートくん。そんな彼に少しときめいちゃってる自分がいた。
もしも私にこの惚れ薬を使う相手がいたならニュートくんはどういう反応を示してくれたんだろう。
そんなことも考えたりした。
「ねぇ、それ使わないんだったらさ、少し瓶を開けてみてよ」
「いいけど……どうするの?」
「惚れ薬って何に惹かれるかによって香りが変わるんでしょ? 教科書で読んでから気になってたんだ」
さすが好奇心の鬼、ニュートくん。私はそんなニュートくんに促されるまま瓶の蓋を緩めた。
「わかった、じゃあ、少しだけね……」
私が瓶の蓋を完全に開けると、そこからは様々な魔法生物の香りがした、あとは草原の香りかな?
「ニュートくん、なんの香りがした?」
「うーん、これはニフラーかな? あとはマートラップにボウトラックル……それに……」
「ふふっ、やっぱり魔法生物ばっかり」
「それに……君の香りもする」
「えっ……?」
思いもよらない告白に私は頭が真っ白になる。えっ? 今ニュートくんなんて言った?
「どうやら僕は君に惹かれてるみたいだね」
そう言って微笑むニュートくんの横顔が窓から覗く夕日で赤く染まる。私の顔も赤く染まるがそれはきっと夕日のせいじゃない。自身の顔に熱が集まるのを感じた。
ねぇ、これって何かのジョークなの?
ショート寸前の私を他所に惚れ薬の瓶の蓋を締める彼に私はドキドキが止まらなかった。
惚れ薬使ってないのに……私、ニュートくんとことが……
十三歳の冬。私が初恋を自覚した瞬間だった。
「なんでこんな厄介なもの受け取っちゃったかなぁ……」
時は遡ること数時間前……。
私は先日拾ったニフラーのお世話をニュートくんと一緒にしようと身支度を整えているところだった。寝室の扉が勢いよく開く。
「やぁっっと出来たわ!!」
扉を開けた張本人。ルームメイトの彼女が液体の入った小瓶を掲げていた。彼女といえば怪しい魔法薬を調合するで有名な私と同じはぐれ者、その小瓶の中身も魔法薬であろうということは容易に想像できた。
「はぁ……今度は何を作ったの?」
「ふふふ……聞いて驚かないでね? なんと今回は……惚れ薬を作っちゃた♡」
「ほ、惚れ薬!? 惚れ薬ってホグワーツでは禁じられた魔法薬だよ!?」
「そんなの知ってるわよ! でもこれ、すごい効くわよ! 私のお墨付き♡」
そう言って彼女は私にその小瓶を押し付けた。
「これを使ってニュートくん? だっけ? お近付きになっちゃえ!」
「は、はぁ!?」
「じゃあ、私はこれから授業があるから! まったね〜!」
開いたままだった扉を勢いよく閉めて出ていった彼女はまるで嵐のようだった。
そうして受け取ってしまった惚れ薬をどう処理しようと悩むこと数時間……今に至るという訳だ。
黙って捨てるのは忍びないし、だからと言って使うだなんて論外だ。
「って時間!! 今何時!?」
ニュートくんを待たせていることをすっかり忘れていた私は、時計に勢いよく目をやる。
時刻は十六時ちょうどを回ったところで、待ち合わせの時刻をとうに過ぎていた。
「わわわっ! 急がなきゃ!」
焦っていた私は何も考えずに惚れ薬をローブのポケットに詰め込みその場を後にしたのだった。
***
待ち合わせ場所……いつもの物置部屋に辿り着くと、私は上がった息を整える。
当たり前のようにニュートくんは既に来ておりニフラーの世話をしているところだった。
「ごめん、ニュートくん! 大遅刻した……」
「気にしないで、君なら来るってわかってたから」
ニュートくんはそう言って私に微笑みながら視線を送る。
優しい彼の大人な対応に年上の私は涙が出そうだった。
「それより、それ何? 魔法動物に効く魔法薬?」
観察力に優れたニュートくんは、目敏く私のローブのポケットから飛び出した惚れ薬の瓶を指さす。
今考えれば部屋に置いてくればよかったものを、なんで厄介なものを持ってきちゃったかなあ!?
最初はこの魔法薬の正体について隠そうかと思ったけれど呆気なくバレる未来が見えたので私は正直に答えることにした。
「これは……私のルームメイトが調合した惚れ薬です……」
「惚れ、薬……?」
その場がしんと凍りつく。
なにか喋って、ニュートくん! 沈黙はしんどいよ!
そんな思いから私は咄嗟に口を開いた。
「違うの! 誰かに使うとかじゃなくて、ルームメイトが興味本位で作ったというか? それをたまたま受け取っちゃったっていうか!?」
「お、落ち着いて……」
「う、うん……」
「本当に誰かに使うつもりじゃ無かったんだね?」
「も、勿論!」
「そっか、良かった。君にそういう相手がいるのかと焦っちゃったよ」
安堵の微笑みを浮かべるニュートくん。そんな彼に少しときめいちゃってる自分がいた。
もしも私にこの惚れ薬を使う相手がいたならニュートくんはどういう反応を示してくれたんだろう。
そんなことも考えたりした。
「ねぇ、それ使わないんだったらさ、少し瓶を開けてみてよ」
「いいけど……どうするの?」
「惚れ薬って何に惹かれるかによって香りが変わるんでしょ? 教科書で読んでから気になってたんだ」
さすが好奇心の鬼、ニュートくん。私はそんなニュートくんに促されるまま瓶の蓋を緩めた。
「わかった、じゃあ、少しだけね……」
私が瓶の蓋を完全に開けると、そこからは様々な魔法生物の香りがした、あとは草原の香りかな?
「ニュートくん、なんの香りがした?」
「うーん、これはニフラーかな? あとはマートラップにボウトラックル……それに……」
「ふふっ、やっぱり魔法生物ばっかり」
「それに……君の香りもする」
「えっ……?」
思いもよらない告白に私は頭が真っ白になる。えっ? 今ニュートくんなんて言った?
「どうやら僕は君に惹かれてるみたいだね」
そう言って微笑むニュートくんの横顔が窓から覗く夕日で赤く染まる。私の顔も赤く染まるがそれはきっと夕日のせいじゃない。自身の顔に熱が集まるのを感じた。
ねぇ、これって何かのジョークなの?
ショート寸前の私を他所に惚れ薬の瓶の蓋を締める彼に私はドキドキが止まらなかった。
惚れ薬使ってないのに……私、ニュートくんとことが……
十三歳の冬。私が初恋を自覚した瞬間だった。
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