学生時代
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「君も魔法生物が好きなの?」
名前も知らない同じ寮の男の子。
そう、彼との出会いは言わずもがな魔法生物がきっかけだった。
***
移動教室で賑わう昼下がりの学園。私も魔法薬学の授業に遅れまいとせかせかと足を動かす。何せ魔法薬学の教授は厳しいことで有名だ。遅刻だなんてくだらない理由で減点をくらいたくは無い。
教室も目と鼻の先と言ったところだった、弱ったニフラーを発見したのは。なんでこんな所にと言う思いと共に私の体は勝手に動く。廊下の隅に倒れ込むニフラーの前でかがみ込み、そっとすくい上げるように持ち上げるとどうやら傷を負っているらしい。
「魔法薬学だけはサボったことなかったんだけどなぁ…」
私はニフラーをそっとローブで包み込むと教室とは真逆の方向に足を向ける。
「大丈夫、もう少しの辛抱だからね」
私はローブにくるまったニフラーにそう声かけると小走りでその場を後にする。
目指すはいつもの物置部屋。私のお気に入りの場所だった。
物置部屋に到着するやいなや私はローブの中のニフラーを確認する。どうやら逃げ出す気力も無いくらいに弱っているようだった。私はすぐさま魔法生物用の救急箱を取り出すと箱の上に寝かせたニフラーに目をやりながらも道具を取り出す。そこからはあっという間だった。ニフラーをの手当てを無事終えた私はふぅ、と一息つく。
「君、魔法生物に詳しいの?」
背後から突然聞こえた聞き覚えのない声に私の肩が跳ねる。
そっと振り返るとそこには私と同じハッフルパフのローブを着た男の子が立っていた。驚いた。ニフラーの治療に夢中で全く気が付かなかった。
私は彼からの問いに答えようと「ちょっとだけ、詳しい……」と俯きながら口を開いた。魔法生物相手には饒舌な私だが、対人コミュニケーションは苦手だった。ましてや知らない男子生徒ときた。私は混乱する頭を必死に回転させながらこの場から立ち去ろうと口を開く。
「それじゃあ私はこれで!」
きっと聞き取り難い早口だったと思う。私は見知らぬ男子生徒の横を駆け抜けようとするが「待って!」と腕を掴まれる。
「君も魔法生物が好きなの?」
恐る恐る彼に目をやると、その瞳はあまりにも純粋な輝きを持っていた。まるでニフラーお気に入りのコインのように輝くその瞳に捕まった私はコクリと首を縦に振る。
これが彼、ニュート・スキャマンダーくんとの出会いだった。
それからだったかもしれない、ニュートくんもこの物置部屋に入り浸るようになったのは。
お互い魔法生物好きと言うこともあって心の距離が縮まるのは早かった。毎日のように物置部屋に通って、時には授業をサボって魔法動物の世話なんかもしたっけ。
そんな私たちの学舎であるホグワーツにも冬が近づこうとしていた。
ある日のことだった。だいぶ調子の良くなったニフラー様子を早く確認したくて私は教科書を持ったまま例の物置き部屋に向かった。そこには、もうここにいることが当たり前になったニュートくんが先客としており、私はその横に教科書を置く。すると、その教科書を目にしたニュートくんが「えっ」と声を漏らした。
「この教科書、三年生の内容だよね……」
「ん?そうだよ、私三年生なんだから当たり前じゃない」
「君、三年生だったの⁉︎」
驚きのあまりか、ニュートくんは私が教科書を置いた箱に足をぶつけた。教科書が雪崩鵜を起こすように崩れ落ちる。
私は「あ〜、もう」と言いながら教科書を拾いあげる。
「そう言うニュートくんだって三年生でしょ?もしかして私のこと年下だと思ってた?」
「いや、僕は一年生、です……」
暫くの沈黙。その沈黙を先に破ったのは私だった。
「えっ⁉︎ニュートくん一年生⁉︎知識が豊富だから同い年かと思ってた……」
「そっちこそ、先輩童顔なんです、もん!同い年かと思ってた……」
つまり私はニュートくんを三年生の同級生だと思っており、対するニュートくんは私を自分と同じ一年生の同級生だと思っていたと言うわけだ。
今思えば約半年をも時を共に過ごしたにお関わらず互いに魔法生物のことばかりで自分自身について触れたことがなかった。
それにしても……
「ニュートくん、何その不自然な敬語?」
「だって、ずっと同い年だと思ってたから、敬語とか慣れてなくて、です……」
「ふふっ、いいよ敬語じゃなくて」
「で、でも!」
「私好きなんだよね、ニュートくんに“君”って呼ばれるの」
窓から差した夕日のせいだろうか。ニュートくんの頬がほんのり赤く染まって見えたのは。
「だからこれからもこのままでいようよ、友達としてさ」
「友達……」
「うん、友達」
「……君が、そう言うなら」
そう言って微笑んだニュートくんの顔は彼がいつも魔法生物に向けるそれだった。
「ニュートくん、人間にもそう言う顔見せるんんだね」
「えっ、どう言う顔⁉︎」
「うーん、内緒!」
これを口に出したらもう二度と私にはその顔を見せてくれ無さそうで惜しいと感じた私はその言葉をそっと胸に秘めることにした。あ、そういえばこの学園で友達できるの初めてかも……。そんなことを考える私もきっとニュートくんと同じような顔をしていたのかもしれない。
名前も知らない同じ寮の男の子。
そう、彼との出会いは言わずもがな魔法生物がきっかけだった。
***
移動教室で賑わう昼下がりの学園。私も魔法薬学の授業に遅れまいとせかせかと足を動かす。何せ魔法薬学の教授は厳しいことで有名だ。遅刻だなんてくだらない理由で減点をくらいたくは無い。
教室も目と鼻の先と言ったところだった、弱ったニフラーを発見したのは。なんでこんな所にと言う思いと共に私の体は勝手に動く。廊下の隅に倒れ込むニフラーの前でかがみ込み、そっとすくい上げるように持ち上げるとどうやら傷を負っているらしい。
「魔法薬学だけはサボったことなかったんだけどなぁ…」
私はニフラーをそっとローブで包み込むと教室とは真逆の方向に足を向ける。
「大丈夫、もう少しの辛抱だからね」
私はローブにくるまったニフラーにそう声かけると小走りでその場を後にする。
目指すはいつもの物置部屋。私のお気に入りの場所だった。
物置部屋に到着するやいなや私はローブの中のニフラーを確認する。どうやら逃げ出す気力も無いくらいに弱っているようだった。私はすぐさま魔法生物用の救急箱を取り出すと箱の上に寝かせたニフラーに目をやりながらも道具を取り出す。そこからはあっという間だった。ニフラーをの手当てを無事終えた私はふぅ、と一息つく。
「君、魔法生物に詳しいの?」
背後から突然聞こえた聞き覚えのない声に私の肩が跳ねる。
そっと振り返るとそこには私と同じハッフルパフのローブを着た男の子が立っていた。驚いた。ニフラーの治療に夢中で全く気が付かなかった。
私は彼からの問いに答えようと「ちょっとだけ、詳しい……」と俯きながら口を開いた。魔法生物相手には饒舌な私だが、対人コミュニケーションは苦手だった。ましてや知らない男子生徒ときた。私は混乱する頭を必死に回転させながらこの場から立ち去ろうと口を開く。
「それじゃあ私はこれで!」
きっと聞き取り難い早口だったと思う。私は見知らぬ男子生徒の横を駆け抜けようとするが「待って!」と腕を掴まれる。
「君も魔法生物が好きなの?」
恐る恐る彼に目をやると、その瞳はあまりにも純粋な輝きを持っていた。まるでニフラーお気に入りのコインのように輝くその瞳に捕まった私はコクリと首を縦に振る。
これが彼、ニュート・スキャマンダーくんとの出会いだった。
それからだったかもしれない、ニュートくんもこの物置部屋に入り浸るようになったのは。
お互い魔法生物好きと言うこともあって心の距離が縮まるのは早かった。毎日のように物置部屋に通って、時には授業をサボって魔法動物の世話なんかもしたっけ。
そんな私たちの学舎であるホグワーツにも冬が近づこうとしていた。
ある日のことだった。だいぶ調子の良くなったニフラー様子を早く確認したくて私は教科書を持ったまま例の物置き部屋に向かった。そこには、もうここにいることが当たり前になったニュートくんが先客としており、私はその横に教科書を置く。すると、その教科書を目にしたニュートくんが「えっ」と声を漏らした。
「この教科書、三年生の内容だよね……」
「ん?そうだよ、私三年生なんだから当たり前じゃない」
「君、三年生だったの⁉︎」
驚きのあまりか、ニュートくんは私が教科書を置いた箱に足をぶつけた。教科書が雪崩鵜を起こすように崩れ落ちる。
私は「あ〜、もう」と言いながら教科書を拾いあげる。
「そう言うニュートくんだって三年生でしょ?もしかして私のこと年下だと思ってた?」
「いや、僕は一年生、です……」
暫くの沈黙。その沈黙を先に破ったのは私だった。
「えっ⁉︎ニュートくん一年生⁉︎知識が豊富だから同い年かと思ってた……」
「そっちこそ、先輩童顔なんです、もん!同い年かと思ってた……」
つまり私はニュートくんを三年生の同級生だと思っており、対するニュートくんは私を自分と同じ一年生の同級生だと思っていたと言うわけだ。
今思えば約半年をも時を共に過ごしたにお関わらず互いに魔法生物のことばかりで自分自身について触れたことがなかった。
それにしても……
「ニュートくん、何その不自然な敬語?」
「だって、ずっと同い年だと思ってたから、敬語とか慣れてなくて、です……」
「ふふっ、いいよ敬語じゃなくて」
「で、でも!」
「私好きなんだよね、ニュートくんに“君”って呼ばれるの」
窓から差した夕日のせいだろうか。ニュートくんの頬がほんのり赤く染まって見えたのは。
「だからこれからもこのままでいようよ、友達としてさ」
「友達……」
「うん、友達」
「……君が、そう言うなら」
そう言って微笑んだニュートくんの顔は彼がいつも魔法生物に向けるそれだった。
「ニュートくん、人間にもそう言う顔見せるんんだね」
「えっ、どう言う顔⁉︎」
「うーん、内緒!」
これを口に出したらもう二度と私にはその顔を見せてくれ無さそうで惜しいと感じた私はその言葉をそっと胸に秘めることにした。あ、そういえばこの学園で友達できるの初めてかも……。そんなことを考える私もきっとニュートくんと同じような顔をしていたのかもしれない。
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