第七話『救助訓れ、』
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本日も晴天なり。
午後の授業、ヒーロー基礎学の時間にて俺は相澤先生からの説明を聞いていた。
「今日のヒーロー基礎学だが…。
俺とオールマイト、そしてもう一人の3人体制で見ることになった。」
「ハーイ!なにするんですか!?」
瀬呂殿が挙手をし、先生に質問すると相澤先生が持ち出した札に、…れ、すきゅー?と書かれていた。
否、決して一瞬読めなかった訳ではない。
「災害水難なんでもござれ。
成程、
切島殿も言っているが、これこそヒーローの本分である。
梅雨殿は水場に強い個性なので、俄然やる気に満ちていた。
俺の個性は人命救助には不向きな個性なので、何処まで工夫が出来るかが掛かってくるな。
盛り上がる教室を相澤先生が諌める。
今回の授業では戦闘服の着用は自己判断だそうだ。
訓練場は離れた所らしく、学校の敷地内だがバスでの移動になった。
…相変わらず、広過ぎないか雄英高校。
俺達はそれぞれ更衣室で着替えてから、バス乗り場に向かった。
緑谷殿は戦闘服を修復依頼しているらしく、サポーターの下は体操服を着ていた。
あれだけ戦闘訓練でぼろぼろになったら、致し方ないだろう。
バスの前に着くと飯田殿が早速委員長節を炸裂させ、態々持参したのか笛を吹きながら誘導を始める。
それに沿って二列に並びバスに乗り込む。
しかし、バスの内装が予想と違い悔しがる飯田殿。
無力な俺は肩を叩く事しか出来なかった。
「大和。」
「む?あぁ。」
焦凍に名前を呼ばれ振り向くと、当然の如く隣の席を指差すので取り敢えず席に着く。
まぁ、出席番号順だからな。
相変わらずな焦凍をちら、と見ると俺の肩にもたれ掛かって寝だした。
本当に自由だなお前は…猫か…。
バス内は個性の話で盛り上がっており、緑谷殿の個性がオールマイト先生に似てると言われ緑谷殿は酷く動揺していた。
……ファンだから、似ていると言われ嬉しいのだろうか?
「しかし増強型のシンプルな"個性"はいいな!
派手で出来る事が多い!
俺の"硬化"は対人じゃ強えけど、いかんせん地味なんだよなー。」
そう言いながら腕を硬化させる切島殿に、俺はつい口走る。
「俺の刃を防いでおいて地味とはな。
十分プロにも通用する個性ではないか。」
「そうだよ!僕もすごくかっこいいと思うよ。」
俺と緑谷殿の言葉に切島殿はそ、そんな事ねぇよ…!!と照れた様な慌てた様な顔をした後、話を少し逸らした。
その一方で距離がある故、余り聞こえなかったが、青山殿が芦戸殿の純粋な言葉にショックを受けている様だった。
「派手で強えっつったら、やっぱ西椋と轟と爆豪だな。」
その言葉に俺は自分に対して…そうか?と思いつつ、俺の肩で眠りこけている焦凍を見た。
確かに焦凍の個性は綺麗であるし、何より威力が段違いだ。
切島殿の言う『派手』で『強い』個性だろう。
斜め前の席に座る爆豪殿はその話題を鼻であしらいつつ、窓の景色を見る。
「爆豪ちゃんはキレてばっかだから人気出なさそ。」
「んだとコラ出すわ!!」
「ホラ。」
梅雨殿に煽られ吠えまくる爆豪殿を、面白がった皆が弄り始める。
上鳴殿の変に偏った語彙力で、悪いとは思いつつも思わず笑ってしまった。
「…くっ、ふふ…!!」
「何笑ってんだオイ 西椋ぶっ殺すぞ!!!!」
「おぉ、怖い怖い。…ふは、くく…!!」
「舐めんな!!死ね!!!!」
安直な脅し文句と威嚇行動に微笑ましくなりながら、相澤先生が怒る前に爆豪殿を大人しくさせようと思っていた所…。
「もう着くぞ。いい加減にしとけよ…。」
「ハイ!!」
威圧感のある先生の言葉に、皆が固まる事になった。