猫又は今日も廃墟を闊歩する。



貴方はまたたびで『嘘吐き、どの子?』をお題にして140文字SSを書いてください。
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口から出任せ、なんて日常茶飯事。
聞く身としても内容はほぼ右から左だ。
「ちゃんと聞いてる?」なんて言われると生返事しか返せないが。本心が見えないのだから仕方ない。
こちらばかりが胸の内をさらす必要はないんだ。
だから、この世界は嘘つきだらけになるのかもしれない。




貴方はまたたびで『……それを、いま言う?』をお題にして140文字SSを書いてください。
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「このまま抜け出そうか」
黒一色の教師が黒板にチョークを走らせる音に紛れたニーナの声を拾う。今は学校生活で言えば三限目。午前中の折り返しだ。
「ばか言うんじゃないよ、この状況で……」
「どうせ気付かれないって。退屈で寝てしまうよりマシだろ」
ほら、と催促する手を拒む理由はなかった。

*Thanks*
ニーナさん




貴方はまたたびで『わるいおとな』をお題にして140文字SSを書いてください。
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道を歩けば人が避け。声をかければ人が散り。
黒い猫又にご用心。東都で知らない者はいないだろう。
だがしかし、物好きはいるもので。真白な白澤は番傘を回して現れる。
今日も猫又に会いに来る。
「厄介なやつに捕まったもんだね」
あんたも、あたしも。またたびの言葉にニーナはいつも通り笑う。

*Thanks*
ニーナさん




貴方はまたたびで『人恋しい冬に、ひとりぼっちだ』をお題にして140文字SSを書いてください。
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寒くてさむくて、身体だけでなく心まで冷えて。またたびは吐き出した息の白さに身震いをする。
「こんな暗くちゃ、何にも見えやしないね」
空にやった視線の先に星々は瞬いて。東都の冬を、雪を、一層引き立たせる。
寒くてさむくて。どこまでも冷え切って。誰か温めてくれ、なんて言えやしない。




貴方はまたたびで『相手が悪かったね』をお題にして140文字SSを書いてください。
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目と目が合ったら合図だと。誰が決めたか暗黙の了解。
目を逸らし、踵を返す人影は多い。興に乗ると追いかけもするが。今日は運が勝ち逃げた。
「相手が悪かったね、僕でなければ逃げ切れただろうに」
曲がり角で鉢合わせた真白な白澤、ニーナはいつも通りに笑って言う。思ってもいないことを。

*Thanks*
ニーナさん




貴方はまたたびで『惚気はいいので、用件を』をお題にして140文字SSを書いてください。
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「あたしゃね、あんたの要件を聞きたいだけなんだよ。わざわざ呼び立てやがって面倒な。薬屋の坊っちゃんの話をしに来たんじゃないだろ?」
「もちろんだーよ、でも薬椰のことも聞いて損じゃないでーしょ?」
苛つきを隠さずにぶつけるも、地上に堕ちた影の月はにぃたり笑うばかり。今宵はよく眠れるだろうか。

*Thanks*
薬椰さん(名前のみ)




貴方はまたたびで『躾はしっかりとお願いします。』をお題にして140文字SSを書いてください。
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東都は無法地帯。誰にも縛られることなく自由を謳歌できる場所。
しかしながら、モラルは存在するようで。黒の猫又を見かけるたびに人々が口にするのは。
「白澤がまたやらかした」「白澤はどうなっているんだ」「白澤と一緒にいる男も大変なことに」
どうやらニーナの保護者云々として見られているようだ。

*Thanks*
ニーナさん(名前のみ)
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