１
貴方は久瀬比奈轍で『負けてたまるか』をお題にして140文字SSを書いてください。
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夢世界で特権者は覇者ではない。レテを倒す力を持っただけの、ただの学生だ。しかしそれでも、一般人よりは強いわけであり。
今日もさまざまな理由で夢を渡る彼らを、夕暮れの世界は悠々と出迎える。
武器を取り、地に足をつけ、前を見据える。行く先に待つのが、残酷な現実であっても。



２
貴方は久瀬比奈轍で『終末の、過ごし方。』をお題にして140文字SSを書いてください。
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「もうすぐか……」
もうすぐ終わる。長かったようで、短かったような。六年間の夢路での生活は桜の芽吹きとともに。
「何ていうか、な？」
卒業してもこの学生都市に残ると決めた。弟や妹がいるし、何より自分を必要としてくれる人がいるから。でも。
「あいつがいないのは、やっぱり寂しいな」



３
貴方は久瀬比奈轍で『「癒しが欲しい」「俺とかどう？」』をお題にして140文字SSを書いてください。
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「はぁ……」
「珍しいな、麗がため息なんて」
「わだにぃまで『うららんは体力だけが取り柄なのにぃ』って言いたいの？」
「いや周じゃあるまいし」
適当に次兄を真似た末妹は本当に疲れているようで。
「あーあ、すごーく疲れたなー？」
分かりやすくアピールするので、そろそろ動くとするか。



４
貴方は久瀬比奈轍で『御不満ですか？』をお題にして140文字SSを書いてください。
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ごろごろ、ころころ。
喉を鳴らし、身体を転がし。
「気持ちいいか？」
問えばひと鳴き、答えてくれた。
黄昏の空と、手の中の黒と。流れるはずの風と時間はどこかへと。
なんて、似非文学的なことを考えていたら手のひらがもこもこ動いた。
「次はこっちな？」
問えば無言で押し返された。



５
貴方は久瀬比奈轍で『しんでるにんげんなんか、こわくないさ』をお題にして140文字SSを書いてください。
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ぶよぶよと蠢くレテ。何年も対峙してきたが、未だに謎の多い相手だ。
攻撃意思があり、人間を執拗に追いかけ。夢世界へと迷い込んだ一般人にも容赦ない。
だからこそ、分かりやすくていいのかもしれない。得体が知れないものに対する恐怖心が背筋を這うのは慣れないものだが。



６
貴方は久瀬比奈轍で『朝食を御一緒しませんか』をお題にして140文字SSを書いてください。
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朝露に濡れた木の葉が揺れる。落ちる水滴がかからないうちに意識を集中する。
瞬く間に夕暮れの橙が飛び込んで。足もとで出迎える相棒と目線を合わせる。
「おはようチャゴちゃん。学校まで、行くよな？」
断りなく身軽に肩へ乗る彼女をひと撫でし、ラップを解いてサンドイッチを分け合おう。



７
貴方は久瀬比奈轍で『忘れてなかったら、』をお題にして140文字SSを書いてください。
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あの日、あの時、あの瞬間を。
忘れてなかったら、運命から抗うことが出来たなら。
今の俺は、違う道を歩んだろうか。
今と世界は、変わったろうか。
過去を思いやるなんて簡単なことで、未来を切り開くのは並大抵のことではなくて。
だけど、相棒がいればこそ。
何だって全部を、乗り切ってみせる。