このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

ep.01

03


それから、私と晴希先輩と難波先輩は晴希先輩に連れられて近くのカフェに来ていた。

「菜々ちゃんにぜひ来てもらいたくて!」

俺がみんな分買ってくるから二人はそこで待ってて、と言われ私は難波先輩と二人でカフェの外で待っていた。正直気まずかった。今まで歩いてきた間で、一度も気まずいと思わなかったのは、晴希先輩が私にたくさん話しかけてくれたから。話題が尽きなかった。難波先輩は私たちの会話を聞いていて、たまに晴希先輩に振られたら答える、ということくらいしかしていなかった。

「…騙されない方がいいよ」

「……へ?」

突然、難波先輩が重い沈黙を破るようにぽつりと言った。…今、なんて?

「あ、あの…それはどういう…」

「晴希、…あいつは誰にでも優しいから」

「は、はあ…」

それは、わかっていることだった。入学式の日もそうだったし、今もそう。私は、晴希先輩に優しくしてもらっている。それがなんだというのだろう。

「…えと、難波先輩?」

何が言いたいのかわからず、私は思わず先輩の名前を呼んでいた。

「だから」

今まで私の方を一度も見向きもしなかった先輩が、私の方を向いて一言。

「…晴希を好きにならない方がいい」

私はそのあと自分で何をしたのかいまいち思い出せなかった。…いや、思い出すことを拒んでいるだけかもしれない。なぜか私はその一言にカチンときて、難波先輩に言い返しているところに、三人分の飲み物を持った晴希先輩が驚いて走ってきて。私の目には涙が溜まっていて、さようならの一言とおじぎをすると、私はただただ家に向かって走っていた。

「…何をしているんだろう」

お風呂から上がり、ベッドに腰掛け今日あった出来事を思い返していた。我ながらひどいと思う。難波先輩が何をしたというのだろう。ただ…。

「ただ、晴希先輩を好きになるな、そういっただけなのに…」

好きにならない方がいい。そう、難波先輩から言われた。なぜだかわからないけど。

「理由もなく難波先輩があんなこと言う人だとは思えない…。まだ、会ったばかりだけど、そう思う」

私は、タオルで濡れた髪をくしゃくしゃした。

「…とりあえず、謝んなきゃあ…」

難波先輩には会うのはもちろん、晴希先輩に会うのが気まずい。何の状況も知らない晴希先輩は、私が何で怒って急に帰ったのかを知らない。難波先輩が、何で怒ったのかっていう説明をするとも思えないし…。

「とりあえず、今日はもう寝よう…。」

私は、眠くもない瞼をこすって、ベッドに横になった。






ここまで書いて、力尽きました。
ご覧頂きありがとうございました。
続きは反響次第で執筆する予定です。











4/4ページ