幼馴染シリーズ(HE★VENS夢)
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「瑛一が欲しいものなんて、ひとつしかないでしょ!」
みるみるうちにメイクを施され、髪の毛をゆるく巻かれたうえに、ハーフアップにされる。どこから持って来たのか、結婚式に行くような華やかなドレスに着替えさせられて、まあまあの高さのヒールを履かされた。
「やっぱ、ナギってば天才〜!!」
後ろに控えていた他のメンバー達が「おお〜!」感嘆の声を上げ、小さく拍手をした。
姿見に映る自分は、いつものほぼスッピンで髪の毛も櫛で梳かしただけの姿とはまるで違っていて、自分で言うのもなんだけど、なかなかいい感じに仕上がっていた。
「じゃーあ、いってらっしゃーい♪」
そう言って、手に握らされたのは、某外資系高級ホテルのルームキーだった。
★☆★
「皆の粋な計らいに感謝しないとな」
ホテルの最上階のスイートルームで、そう言いながら、シャンパングラスに口を付ける瑛一は、部屋のシャンデリアのキラキラした明かりと、大きな窓ガラスから見える都内のキラキラとした夜景で、いつも以上に輝いて見えて、わたしの気持ちは何だかずっとソワソワして落ち着かなかった。
わたしもシャンパンを一口飲んで、伺うようにちらりと瑛一を見る。
「ねぇ、瑛一。本当に欲しいものないの?」
「……この、きらめく夜景と、美味いシャンパンと、美しく着飾ったお前がいて、これ以上なにを望むんだ?」
そう言って、わたしの頬に触れる瑛一に、すこし呆れたようにわたしは笑った。
これは冗談ではなく、彼は本当にそう思っていて、たったこれだけのことで心底満足していることがわたしには分かる。
「瑛一って、意外と無欲だよね」
昔から彼のことを知っているが、瑛一がなにか物を欲しがる姿を見たことがない。瑛一が欲しがるのはいつだって形のない美しいものだ。
「俺は、HE★VENSのメンバーと、エンジェル達の愛と、お前とお前が紡ぐ最上級の音楽があればそれでいい」
「ふふっ、それってけっこう強欲だね」
わたしが可笑しそうに笑うと、瑛一も「そうだな」と言ってすこし笑った。
「だが、しいて言うなら……お前からの愛の言葉が欲しいな」
「えっ、」
きょとんと見つめるわたしに、瑛一がそっと手を伸ばして、わたしの顎をやさしく掴む。そして、その親指でつうっと下唇をなぞられて、私の頬がじわりと熱をもつ。
「……くれないのか?百瀬」
瑛一が熱っぽい瞳で見つめる。
瑛一はいつだってわたしに嫌というほど愛の言葉をくれるが、わたしは幼馴染から恋人になった気恥ずかしさがあって、いつもはなかなか言葉にすることができなかった。
「……あ、」
唇を開いて、すこしためらって、もう一度開く。
「あのね、」
自分の顔がだんだん赤くなっていくのを感じて、わたしはごまかすように瑛一の首に腕を回してぎゅっと抱きついた。
「瑛一、生まれてきてくれてありがとう。大好き」
耳元で囁いて、頬骨に小さくキスをする。眼鏡のレンズ越しに、その瞳が満たされたようにやさしく微笑む。
わたしはその邪魔な眼鏡を外して、今度は唇にそっとキスをした。
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