Song bird (長編連載)
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『……なわけで、無事に、ホスト探偵の矢上麗人役が決まりました〜☆』
「おめでとうございます!嶺二さん、この役すごくやりたがってましたもんね」
『そうなんだよ〜!すっごく楽しみ!
あっ、あと、一緒にオーディション受けた、おとやんも別の役で出ることになったんだよ』
「えっ、音也くんも!放送されるの楽しみです」
龍也からなるべく2人で会わないようにと言われて数日後、嶺二から珍しく電話が掛かってきて、それは雛子も前々から話を聞いていたドラマのオーディションの結果報告だった。
そして、その後はこちらの近況も聞かれて、最近決まった仕事の話をすると、嶺二は嬉しそうに聞いてくれた。
それから、とりとめのない話をしていて、ふと時計を見ると、もう1時間以上が経っていた。
『あっ、もう1時間も経ってたね!メンゴメンゴ〜!長電話になっちゃったね』
同じタイミングで時計を見たのか、嶺二がそう言った。
「いえ!楽しくて、私も喋りすぎちゃいました……」
『電話でこんなに話すのって初めてだよね〜!』
「……そういえば、そう、ですよね」
電話で話す時は急ぎの業務連絡のような事が多いので、これだけ、しかもプライベートな話を嶺二と電話で話すのは初めてだった。
それを意識してしまうと、先程からの電話越しに聞く嶺二の声は、いつもよりもほんの少しだけ低くて、何だか特別な感じがしてドキドキしてしまう。
『たまには電話もいいけど……でも、早く、会いたいな』
少し掠れたような声で囁かれて、携帯電話を当てている耳が熱を持つ。電話越しで赤くなった耳を見られなくてよかった、と思っていると、
『…………ねぇ、ひなちゃんは?』
そう問われて、咄嗟にコクコクと大きく頷いたが、すぐにそれでは電話で伝わらないと気付いて、でも、少し恥ずかしくて、小声でそっと「……わたしも、会いたい、です」と言った。
ふっと、笑った声が、電話越しに耳をくすぐる。
『……よかった。同じ気持ちで』
やわらかな声でそう言われて、雛子は耳どころか顔全体が熱くなるのを感じた。こんな真っ赤な顔、見せられるわけがない。
(よかった。電話越しで……)
『じゃあ、明日もあるし、すっごく名残惜しいけど、そろそろ切ろっか』
「あっ、はい!ありがとうございました!
……おやすみなさい。嶺二さん」
『……うん、おやすみ、ひなちゃん。よい夢を……』
ちゅっ、と最後にリップ音が響いて、電話が切れた。
「………!!!」
雛子は携帯電話を握りしめたまま、ふらふらとベッドに突っ伏す。耳の中に残る甘い余韻にまた顔が熱くなる。
「……もうっ、もう〜!!!」
子供みたいに足をバタバタさせて、しばらくの間ベッドの上で身悶えた雛子であった。