Song bird (長編連載)
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体中がひどく熱くて、眠ってしまいたいのに、なかなかうまく眠りにつくことができなくて、何度も寝返りをくり返す。
姉ちゃんは学校だし、母ちゃんは仕事だ。
母ちゃんは下で仕事してるから、呼んだらきっと来てくれるだろうけど、今はお昼のピークだからそんなこと出来ない。
別にこんなの平気だ。ひとりで大丈夫。
でも、どうしてだか、じわりと涙が滲んだ。
その時、ふわりと柔らかいものが、ぼくの手を握る。
そっちを見ると、小さな女の子が小さな手でぼくの手を握っている。
「早くお熱が下がりますように」
そう言って、ふにゃりと笑った。
◆◇◆
「…………っ」
ふっと意識が浮上して、薄く目を開けると、見なれた自分の部屋の天井が目に入って安心する。
(ああ、夢か……)
そう思っていると、ふと、夢の中と同じ感触がぼくの手を握っていることに気付く。
(ひなちゃん……)
彼女の手がそっとぼくの手を撫でて、そして、トントントンと、赤ちゃんをあやすみたいなリズムで、ぼくの手の甲をやさしく叩く。
目のふちに、じわりと涙が浮かんだのは、きっと熱のせいだ。
心地のよいリズムにもう一度まぶたを閉じる。
(……そっか。……ほんとうは、寂しかったんだ)
小さな頃も、大人になった今も。
よくやくその事に気付いて、何となく胸の奥にあったつかえが取れた気がして、ぼくは安心してもう一度眠りに落ちていった。