Song bird (長編連載)
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「“そもそも愛音がああなったのは貴方にも原因がある”って、言うつもりだったよね。あの時のけーちゃん」
「だから、俺だってさすがに止めたんだろうが」
テレビ局の廊下で、嶺二と響はまたしても対峙していた。
だが、今日は圭と雛子は居ない。響の方がまだこの件に関しては話が通じそうなのでちょうど良かった。
「絶対に、あの子にだけは言うなよ。そうなったら、今度はぼくが君達を許さないよ」
「分かってるって!圭にも忠告しとくよ。……でも、本当のことだろ。あれは。愛音はあの子の事故で心を痛めてた。あの映画だって、あの子のためにも頑張ろうとしてたんだろ」
響が言っていることは本当だった。
愛音は表向きは平気そうな顔をしていたが、あの事故のことをどこかでずっと引きずったままだったし、あの映画も自分がことりの分も頑張らないといけないという想いが強かった。
でも、それを雛子本人が知ったらどう思うだろうか。
突然降ってきた事故で心身共に傷ついて、沢山の辛いことを乗り越えて、今やっと希望の道を歩いている彼女に、そんな事は絶対に聞かせたくない。
愛音だって、絶対にそんなことを望んでいないだろう。
自分が今も苦しんでいるのは自分のせいだ。
でも、雛子にはなんの落ち度もないのだ。それを知って自分と同じように苦しむようなことは絶対にあってはならない。
これだけは墓場まで持って行くつもりだ。
「すぐにじゃなくてもいい。いつか……、いつか、ことりちゃんがこの映画を観てくれたらいいな」
そう言って、どこか遠い目をしていた愛音を思い出す。
でも、そう言った愛音は消えてしまった。自分のせいで。
「ぼくのせいだよ。全部、ね」
そう言って踵を返した嶺二の背中を、響はしばらく見つめて、そして大きく溜め息を吐いた。
「ご執心なのはお前もじゃねーか。嶺二」