Song bird (長編連載)
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※過去のお話
Twinkle twinkle little star〜〜♪♪
ピアノを連弾しながら歌うその姿は、本当に仲睦まじい兄妹のように見えた。
「あ、圭!」
歌い終えると、愛音はこちらに気付き手を振る。
そして、隣の少女に何やら耳打ちすると、その少女は何故かパァァと目を輝かせて笑顔になった。
愛音が少女の手を取ってピアノ椅子から降ろしてやる。その甲斐甲斐しい仕草に、何となく面白くなさを感じる。
「ことりちゃん、この人が僕のパートナーの音波圭だよ」
「お噂はかねがね伺ってます!◯◯劇団所属の天使ことりです!」
ことりは大人顔負けの礼儀正しい角度でお辞儀をした。
「噂って……。愛音、子供になに吹き込んでるんですか」
「学生の時の話を色々してただけだよ。ことりちゃん、嶺二のファンなんだって」
「それはまた……趣味が悪い」
「えぇ……」
あからさまにショックを受けた顔のことりの頭を愛音がポンポンと撫でる。
「もう、圭は素直じゃないんだから。嶺二はちゃんと優しい人だよ」
「まあ、寿君の事はどうでもいいです。愛音、新曲のデモ持ってきたんで聴いておいて下さいよ」
CD-ROMを渡すと愛音が嬉しそうに笑った。
隣のことりも「お兄ちゃんの新曲!」とまるで宝物でも見るかのようなキラキラした目でCDを見つめていた。
◆◇◆
愛音がこのドラマに出演が決まって、一応原作も読んだ。
シングルマザーの家庭で、母親は病気の娘のために昼夜関係なく働き、その間に兄は妹を甲斐甲斐しく世話をする。
だが、それも虚しく、妹の病気は悪化して亡くなってしまう。兄が絶望し生きる気力を失って呆然としているところに、妹の幽霊が出てきて不思議な共同生活が始まる…。というストーリーだ。
「わたしの大好きなお兄ちゃん。誰よりもしあわせになってね」
ついでに撮影も見学して行きなよ。そう愛音に引き止められて、あまり興味はなかったが、クライマックスシーンの撮影ということもありその場に残っていた圭だったが、その演技に鳥肌が立った。
最後にだんだん消えていく妹が、大粒の涙を流しながらもふわりと優しく微笑む。それは自分の死に絶望して生きる気力を失った兄への切なる願いであり、どこか母性にも似た大きな愛だった。
(愛音もすごいが、あの子も……)
口に出して褒めるつもりはないが、内心は感心していた。
だが、圭の心にはひとつ不安があった。
(愛音、また役にはまり込みすぎないといいが……)
憑依型、というのだろうか。元々かなり役に入り込む性質だったが、この3カ月近く共同生活をしていたため愛音はすっかりことりの“お兄ちゃん”になっていた。
カメラの回っていない所でもことりの面倒を見る姿は本当の兄妹のようで微笑ましいと言えばそうだが、何事も入れ込みすぎはよくない。
今回の話は希望で終わるものでまだ良かったが、もし絶望のまま終わるような話だったら、繊細な愛音はそのまま壊れてしまうんじゃないかと心配だった。
(もう少し、寿君くらい適当な所があっても……)
一瞬そんなことが頭を過るが、嶺二のおちゃらけた顔を思い出して不愉快になり、大きく溜め息をついてその思考を振り払った。
Twinkle twinkle little star〜〜♪♪
ピアノを連弾しながら歌うその姿は、本当に仲睦まじい兄妹のように見えた。
「あ、圭!」
歌い終えると、愛音はこちらに気付き手を振る。
そして、隣の少女に何やら耳打ちすると、その少女は何故かパァァと目を輝かせて笑顔になった。
愛音が少女の手を取ってピアノ椅子から降ろしてやる。その甲斐甲斐しい仕草に、何となく面白くなさを感じる。
「ことりちゃん、この人が僕のパートナーの音波圭だよ」
「お噂はかねがね伺ってます!◯◯劇団所属の天使ことりです!」
ことりは大人顔負けの礼儀正しい角度でお辞儀をした。
「噂って……。愛音、子供になに吹き込んでるんですか」
「学生の時の話を色々してただけだよ。ことりちゃん、嶺二のファンなんだって」
「それはまた……趣味が悪い」
「えぇ……」
あからさまにショックを受けた顔のことりの頭を愛音がポンポンと撫でる。
「もう、圭は素直じゃないんだから。嶺二はちゃんと優しい人だよ」
「まあ、寿君の事はどうでもいいです。愛音、新曲のデモ持ってきたんで聴いておいて下さいよ」
CD-ROMを渡すと愛音が嬉しそうに笑った。
隣のことりも「お兄ちゃんの新曲!」とまるで宝物でも見るかのようなキラキラした目でCDを見つめていた。
◆◇◆
愛音がこのドラマに出演が決まって、一応原作も読んだ。
シングルマザーの家庭で、母親は病気の娘のために昼夜関係なく働き、その間に兄は妹を甲斐甲斐しく世話をする。
だが、それも虚しく、妹の病気は悪化して亡くなってしまう。兄が絶望し生きる気力を失って呆然としているところに、妹の幽霊が出てきて不思議な共同生活が始まる…。というストーリーだ。
「わたしの大好きなお兄ちゃん。誰よりもしあわせになってね」
ついでに撮影も見学して行きなよ。そう愛音に引き止められて、あまり興味はなかったが、クライマックスシーンの撮影ということもありその場に残っていた圭だったが、その演技に鳥肌が立った。
最後にだんだん消えていく妹が、大粒の涙を流しながらもふわりと優しく微笑む。それは自分の死に絶望して生きる気力を失った兄への切なる願いであり、どこか母性にも似た大きな愛だった。
(愛音もすごいが、あの子も……)
口に出して褒めるつもりはないが、内心は感心していた。
だが、圭の心にはひとつ不安があった。
(愛音、また役にはまり込みすぎないといいが……)
憑依型、というのだろうか。元々かなり役に入り込む性質だったが、この3カ月近く共同生活をしていたため愛音はすっかりことりの“お兄ちゃん”になっていた。
カメラの回っていない所でもことりの面倒を見る姿は本当の兄妹のようで微笑ましいと言えばそうだが、何事も入れ込みすぎはよくない。
今回の話は希望で終わるものでまだ良かったが、もし絶望のまま終わるような話だったら、繊細な愛音はそのまま壊れてしまうんじゃないかと心配だった。
(もう少し、寿君くらい適当な所があっても……)
一瞬そんなことが頭を過るが、嶺二のおちゃらけた顔を思い出して不愉快になり、大きく溜め息をついてその思考を振り払った。