Song bird (長編連載)
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※マスターコースの時のお話
その日、雛子は翔に誘われて、翔と那月とマスターコースの先輩が一緒に暮らしている部屋を訪ねていた。
インターホンを押すと、少しの間を置いて、ガチャリとドアが開いた。
「…………お兄ちゃん?」
その姿を見た時に、思わずそう口にしてしまって、慌てて自分の手で口を押さえる。
「……お兄ちゃん?……ああ、もしかしてショウのこと?だったら中に居るよ。今、炒飯作ってて手が離せないみたいだよ」
最初に訝しげな顔をされたが、どうやら上手い具合に解釈してくれたようで、特に不審がることもなく、部屋に通される。
「ボクは美風藍。知ってると思うけど、ショウとナツキのマスターコースの先輩」
玄関で、ふと思い出したように自己紹介をされ、雛子も慌てて自己紹介をする。
「すみませんっ!いつも翔ちゃんがお世話になってます。翔ちゃんの従姉妹で、シャイニング事務所の作曲家の桜井雛子と申します」
「知ってる。キミの話はショウからいつも聞いてるから」
スタスタと先に廊下を歩く藍の後ろ姿をじっと見つめる。
美風藍。翔や那月から話は聞いていたが、本当につい最近までメディアの露出はしていなかったので、雛子がその姿を見るのは初めてだった。
(愛音くん、なわけは、ないよね……)
それにしても、似すぎている。顔も、声も。
でも、その話し方や仕草は確実に愛音ではなかった。
◆◇◆
「……あの、美風さんは、ご兄弟とかって、いらっしゃるんですか……?」
後片付けの間、洗い物をしていてキッチンで藍と2人きりになった時に、思いきって雛子はそう聞いてみた。
「兄弟?いないよ。なんでそんな事聞くの?」
「あっ、いえ……なんとなく、です」
「ふぅん……。つい最近、レイジにも同じ事聞かれたんだよね」
不思議そうに首を傾げる藍だったが、雛子は『レイジ』という思いがけない名前にドキリとした。
(もしかして、嶺二くん……?)
いや、同じ質問をするなんて、そうとしか考えられない。
随分と前に失踪した親友とそっくりの人物が現れて、一体どんな気持ちだったのだろう。
藍の綺麗に整った横顔をチラリと見る。
『ことりちゃん』
自分を呼ぶ、愛音のやさしい声を思い出す。
◆◇◆
『お兄ちゃんの話を聞いてたら、わたしも早乙女学園に行きたくなっちゃった!』
『ふふ、ことりちゃんもアイドルになる?』
『わたし、どっちもやりたい!アイドルになって、ミュージカルにもお客さん呼び込むの』
『ことりちゃんの根っこには、いつだってミュージカルの事があるよね』
『だって、ミュージカル大好きだもん!
あとねっ、早乙女学園に行ったら、お兄ちゃん達みたいに素敵なお友達が作りたいな!』
『うーん、あの3人みたいなお友達はことりちゃんにはちょっとオススメできないけどね……』
『えー!なんで〜?!』
愛音と2人でそんなことを話しながら笑い合ったのは、もう随分と遠い昔のことのように思える。
(学園で、いっぱい素敵なお友達ができたんだよ)
いつか、愛音にそんな報告ができる日が来ることを願っている。
キッチンカウンターの向こうで、翔と那月と喋っている藍の姿を見つめる。
愛音とそっくりなのに、全然違うその人のことをもっと知りたいと思いながら、雛子は蛇口をきゅっと閉めた。
その日、雛子は翔に誘われて、翔と那月とマスターコースの先輩が一緒に暮らしている部屋を訪ねていた。
インターホンを押すと、少しの間を置いて、ガチャリとドアが開いた。
「…………お兄ちゃん?」
その姿を見た時に、思わずそう口にしてしまって、慌てて自分の手で口を押さえる。
「……お兄ちゃん?……ああ、もしかしてショウのこと?だったら中に居るよ。今、炒飯作ってて手が離せないみたいだよ」
最初に訝しげな顔をされたが、どうやら上手い具合に解釈してくれたようで、特に不審がることもなく、部屋に通される。
「ボクは美風藍。知ってると思うけど、ショウとナツキのマスターコースの先輩」
玄関で、ふと思い出したように自己紹介をされ、雛子も慌てて自己紹介をする。
「すみませんっ!いつも翔ちゃんがお世話になってます。翔ちゃんの従姉妹で、シャイニング事務所の作曲家の桜井雛子と申します」
「知ってる。キミの話はショウからいつも聞いてるから」
スタスタと先に廊下を歩く藍の後ろ姿をじっと見つめる。
美風藍。翔や那月から話は聞いていたが、本当につい最近までメディアの露出はしていなかったので、雛子がその姿を見るのは初めてだった。
(愛音くん、なわけは、ないよね……)
それにしても、似すぎている。顔も、声も。
でも、その話し方や仕草は確実に愛音ではなかった。
◆◇◆
「……あの、美風さんは、ご兄弟とかって、いらっしゃるんですか……?」
後片付けの間、洗い物をしていてキッチンで藍と2人きりになった時に、思いきって雛子はそう聞いてみた。
「兄弟?いないよ。なんでそんな事聞くの?」
「あっ、いえ……なんとなく、です」
「ふぅん……。つい最近、レイジにも同じ事聞かれたんだよね」
不思議そうに首を傾げる藍だったが、雛子は『レイジ』という思いがけない名前にドキリとした。
(もしかして、嶺二くん……?)
いや、同じ質問をするなんて、そうとしか考えられない。
随分と前に失踪した親友とそっくりの人物が現れて、一体どんな気持ちだったのだろう。
藍の綺麗に整った横顔をチラリと見る。
『ことりちゃん』
自分を呼ぶ、愛音のやさしい声を思い出す。
◆◇◆
『お兄ちゃんの話を聞いてたら、わたしも早乙女学園に行きたくなっちゃった!』
『ふふ、ことりちゃんもアイドルになる?』
『わたし、どっちもやりたい!アイドルになって、ミュージカルにもお客さん呼び込むの』
『ことりちゃんの根っこには、いつだってミュージカルの事があるよね』
『だって、ミュージカル大好きだもん!
あとねっ、早乙女学園に行ったら、お兄ちゃん達みたいに素敵なお友達が作りたいな!』
『うーん、あの3人みたいなお友達はことりちゃんにはちょっとオススメできないけどね……』
『えー!なんで〜?!』
愛音と2人でそんなことを話しながら笑い合ったのは、もう随分と遠い昔のことのように思える。
(学園で、いっぱい素敵なお友達ができたんだよ)
いつか、愛音にそんな報告ができる日が来ることを願っている。
キッチンカウンターの向こうで、翔と那月と喋っている藍の姿を見つめる。
愛音とそっくりなのに、全然違うその人のことをもっと知りたいと思いながら、雛子は蛇口をきゅっと閉めた。