ツイノベまとめ
信仰心が神の力に直結する世界。
とある神様を1番信仰してくれている大きな町は、若者がもっと豊かな町へ出稼ぎに行ってしまった上、女が産まれない年回りだったため、村長の息子の嫁のなり手がいなかった。
長の息子は働き者の真面目な男前。
どうか息子に嫁をと神様にお参りに来る長夫妻。
自分を信仰してくれている町の、その中でも特に信心深い長の願いを何とか叶えてやりたい。だが縁結びは専門外。
困った父神は自分の3番目の子である神を、長の息子の寿命が尽きるまでの条件付きで嫁にやることにした。
「何で俺が、普通女神だろ?」と抵抗するけど兄神は跡取り、姉神はもっと上の神のお嫁に行く、妹神は眠りについてしまった母神そっくりの忘れ形見で、嫁には出さんと一点張り。
半ば追い出される形で嫁がされて、相手も当然「何で男神……?」ってなる。
そうはいっても美形な上に神様なので、色んな恵みをもたらして周りからはいい嫁だってちやほやしてもらえる。けれど肝心の夫になった真面目な長の息子は、上げ膳据え膳の嫁に素っ気ない。
男前だけど愛想のない働き者の夫に働けと言われて神様は拗ねる。
でも嗜めはするけど大事にはしてくれる。渋々慣れないながらも一緒に働く神。もっと気楽に生きればいいのにって言ったら、お前がいる間はいいけど子どもや孫の世代にそれが続くわけじゃなかろうと。それに胡座をかいては駄目だと。
そう言われて確かにそうだなと。納得した神様は適度に恵みを振り撒きつつ、長となった夫を支えていく。長の息子もなんだかんだ男ではあるものの、美人で素直な気性の神様には好意を持っていた。
やがて仲睦まじい夫夫となったふたりは子宝にも恵まれ幸せに暮らすが、頑張って長生きしたとて所詮は人の一生。神にとってはあっという間、すぐに別れの時がくる。
自分の寿命が尽きるまで夫婦であるとの約束だ。今までありがとうと感謝しながら長の息子は逝こうとしたが、ずっと難しい顔をしている神様は「それだけか」と怒ったような泣きそうな顔でぼそりと言う。
いいわけがないだろうと長の息子は返した。神様は神様じゃなくても美人で働き者だから男でも女でも神でも、きっと引く手あまただ。でもお前は俺の嫁だ。でも寿命はどうしようもない。なんで死ぬ間際に心を乱すのだと長の息子は呻きながら眠り始める。
すると神様は「お前は俺をなんだと思ってるんだ」と言って、長の息子の魂を引っつかんだ。父神は長の息子の寿命が尽きるまでとしか言っていない。魂の寿命はきていないなどと屁理屈をこね出して長の息子は笑った。
その後神様は自分を嫁がせた父神と大喧嘩して、夫婦で暮らした村一体を奪……貰い、土地神としてとこしえに仲良く自分たちの子孫を見守っているのである。
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