このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

ツイノベまとめ

 

 家庭環境のよくない少年。
 友達もおらず、母が恋人を連れ込むと家に入れて貰えない。居場所がなくて図書館に行ったり公園に行ったりしてお腹空かせて時間を潰していた。

 ある平日の昼間、いつものように公園へ行くとベンチにお兄さんが座っていた。
 若いけれど仕事をするくらいの歳なのに、スーツでもなく普通よりだらしない格好。じっと見ていると見た事もないようなメーカーの駄菓子を差し出して「食うか?」とゆるりと笑った。

 普通の子なら知らない人から物を貰うなと躾られているが、少年はそんな事も母から教えて貰っていなかった。

 差し出された駄菓子を受け取ろうとした瞬間、盛大にお腹が鳴り、お兄さんは苦笑してコンビニ袋からおにぎりを出して少年にくれた。よく分からない駄菓子も一緒にくれた。
 
 以降少年はお兄さんに懐き、時々公園で会った。
 お兄さんは夜の仕事をしているそうで、日中は寝てるかギャンブルをしているからしい。なのに少年の母とは違って不思議と夜の匂いはしなかった。
 たまに図書館で勉強も教えてくれた。意外と頭が良くてきちんとした格好をすればお兄さんは好青年だった。家は教えてくれたが入ったことはない。家に連れ込むと誘拐だなんだ言われちゃうと困るからとゆるっと笑う。家は変わらず安心できる場所ではなかったが、お兄さんとの時間が少年の唯一の楽しみだった。

 ある日少年は、母の新しい恋人に殴られて公園に逃げたが、お兄さんはいなかった。居場所のない少年は、悪いと思いつつお兄さんの家に行ったが、ボロアパートの扉から少年が時折聞く声が聞こえてきた。

 この声が聞こえる時は、自分の家なら絶対に入ってはいけない。

 少年はお兄さんの家を泣きながら後にした。あの声を少年は知っていて、慣れている。けれどお兄さんのそれは嫌で嫌で仕方なかった。でもどうしようもなかった。

 家にも帰れず薄闇の公園で1人泣きそうなのをぐっと堪えていると、変なおじさんが話し掛けてくる。しつこくて怖くて逃げていると、少年は何かにぐっと引き寄せられて、おじさんが変な声を出して吹っ飛んだ。見れば少年を引き寄せたのはお兄さんで、いつものへらりとした雰囲気は全くなく、怒り心頭といった様子だった。

 お兄さんと一緒にいたスーツの男が殴られたおじさんを連れていくのをぼんやり見ていると、あいつに殴られたのかと聞かれ、少年は首を横に振った。お兄さんの家に行った事は言わず、母が連れ込んだ男に殴られて公園にいた事だけを言った。

 その後少年もお兄さんに連れられて、警察に行き、そのまま施設に入ることになった。お兄さんと一緒にいたスーツの男は警察官だったらしい。規則正しい生活に食事、勉強。少年の生活環境は大きく改善された。

 そんな少年は落ち着いた頃、お兄さんの家に行った。しかし家はもぬけの殻だった。
 施設の人にもお世話になった警察の人にも聞いたけれどお兄さんの行方は分からなかった。
 夜の仕事をしていたと聞いていたから、探しに行って補導されて怒られたりもした。けれどお兄さんは見つからなかった。

 だけど少なくともお兄さんと一緒にいたスーツの男は警察官だった。少年はそれだけの理由で警察官を目指し見事合格する。

 時は経ち、警察学校を卒業し、交番勤務となった少年はどうやってあのスーツの男を探すかと考えていた。
 しかし配属先の交番で、少年はあっさりお兄さんと再会することになる。

 実はお兄さんは色々あって辞めた元警察官で、少年と会った当時は現役時代に班が一緒だった同期(スーツの男)に情報仕入れて流してちょっとお金もらっているような生活をしてたらしい。
 だけど少年のことがあって、やっぱり困ってる人の助けになりたいと再受験でまた警察官になったとのこと。
 それを聞いた少年は「お兄さんを探すために警察官になりました」とは言えず「あの時色んな人に助けてもらったから自分もそうなりたくて」と面接用の綺麗事を言ったが、お兄さんは素直に喜んで、いい先輩となっていく。
 そのせいで少年は本当の事や自分の気持ちをどんどん言えなくなっていく。

 なお、お兄さんは元警察官(キャリア)で色々あって辞めちゃったけど能力はあるし仕事も嫌いじゃなかったから、少年と会った当時は現役時代班が一緒だった同期(キャリア)に情報流して、ちょっとお金もらって抱いて貰ってた(恋人ではない)。少年の事件で再受験でまた警察官になった。
 少年はすくすく育って警察官になり、お兄さんの同期とバチバチの三角関係になったりするのである。
 

 おしまい

2/4ページ