｢シュウヤ、サクヤ待たせちまったみてぇだな｣

毛むくじゃらの髭と頭髪を持つハグリッドが頭をかくようにしてこちらを見下ろしている

｢大丈夫、大して待ってないよ。｣

｢そうか？ならいいんだがな。｣

ニコッと笑ったハグリッドに笑みを返しつつ、先程から気になっていた、ハグリッドの側にいる痩せっぽっちの男の子に目を向ける。

｢ねえねえハグリッド？この男の子もしかして？ねえねえ！｣

双子の妹も気になっていたようで好奇心が表情どころか目までキラッキラにさせて、今にも男の子に飛びつきそうな勢いで、俺の腕をブンブンさせてハグリッドに話しかける。激しくやめて欲しい。

｢サクヤ落ち着け。ハリーが困っとるだろ？ハリーこいつらは双子で...｢はじめまして！私、サクヤ・シェヘラザード！日本人とイギリス人のハーフ！この隣にいるシュウヤの双子の妹なの！サクヤって呼んでね！よろしく！｣...ってこった｣

もう我慢できなかったのか強引に男の子の手を掴んでブンブンさせながら握手をする。
男の子はちょっと...どころかすごく困ってる。こいつどうにかしないと.........

｢困らせてるだろやめろ。ごめん俺この暴走してるサクヤの双子の兄シュウヤ・シェヘラザード。シュウでいいよ、よろしく｣

とりあえずサクヤを男のからひっペリ返してから遠ざけて自分も自己紹介をする。男の子はこんなやり取りをする俺らが可笑しかったのか少し笑ってくれた。

｢僕はハリー・ポッター。ハリーでいいよ、サクヤにシュウよろしくね｣

«ハリー・ポッター»やっぱりそうだったんだな。
世間では魔法界を救ったヒーロー扱いされてるハリー。有名人ってどいつもこいつも偉そうだからあんまりいい印象はなかったんだけど、ハリーは謙虚で、俺とあまり変わらない印象を受けた。

｢自己紹介は終わったみたいだな。それじゃ出発だ、今日は忙しくなるぞ。｣

3人が出会った日（ｻﾝﾆﾝｶﾞﾃﾞｱｯﾀﾋ）