ふたつめ
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次の日、寝不足の頭だったが目が覚めたためとりあえず起床し、静養中とはいえ欠かすことのない鍛錬の日課をこなそうと外へ出ようとした時だった。
「・・・・・・・・・」
先客がいた。
石の上で胡坐を組み、目を閉じて微動だにしない。
どうやら座禅を組んで瞑想中のようだった。
長い黒髪を横に流して、赤い組み紐でまとめて結っている後ろ姿に、
朝陽であることがわかった。
呼吸がとても静かだ。全集中の呼吸。
それでもすさまじい集中力で呼吸の制度を
上げようとしているのが伝わってくる。
これは本来、呼吸をまだ習得していない者がする基本で、
もはや取得しているものには必要は無いようにも感じる。
それでも初心を忘れず、自分をさらに高める姿勢。
なんて“恰好のいい”女性なのか。
「・・・おはよう!朝陽!」
「!!」
よほど集中していたのだろう。
俺の声にビクッと体を震わせて振り返る。
長い前髪が左目を隠している。
目を見開いて本当に驚き、どうしようかと一瞬だけ目を泳がせた。
「炎柱様っ!!・・・おはようございます。
あ・・・気がつかず、申し訳ありませんでした」
先ほどまでの凛々しい姿が吹き飛び一気に年相応の少女の姿に変わる。
ほほえましい、可愛らしい!
すでにおれはこのとき、彼女に心を奪われていたのだろう。
目の前で見える今まで知らなかった彼女の一面を見るたびに心が高揚し、
自然と頬が緩んでしまう。
「いつもこんな朝に瞑想しているのか?」
「あ・・・はい」
いままでまともに話をしたことは無い。
ましてや2人きりだ。緊張しているのだろう。
呼吸も先ほどより少し乱れている。
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