ふたつめ
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目が覚めた梓にはちゃんと理性があった。
血に飢えてもいなかった。
にもかかわらず、鬼は排除されなければならない。
家族を失った今、この子を守れるのは自分しかいなかった。
本当は怖くて仕方がなかった。
どうすればいいかわからなかった。
言ってしまったはいいが、強くなるとはどういうことか。
どのようにすればいいのかまったくわからなくて、
大声で泣き叫びたかった。
誰か教えてくれ、だれか助けてくれと。
それでもこれ以上の孤独感に苛まれるのが怖かったのだ。
梓を生きる理由にして、死に物狂いで強くなろうと誓った。
幸い運動神経は悪くなかったので、努力は実り、
柱と同等の訓練にも耐えられるだけの体力と呼吸を身に着けた。
「妹のために努力を重ねるお前の姿は美しかった。
姿もだが生き方だな。お前のすべてが眩しかった!」
****************
槇寿郎様に助けられたことで、息子である杏寿郎様の耳にも
姉妹のことは届いていった。
女の身でありながら、男の隊士をはるかに凌ぐ速さで修業を進め、
任務でもその有能さは際立ち、
柱合会議でもたびたびお館様より名前が挙がることから
目をかけてもらっていることが知れ渡り、
朝陽のことは鬼殺隊のだれもが知る存在になりつつあった。
柱になるのも時間の問題だろうと、皆が彼女を持ち上げ称えた。
だが煉獄はその姿に、危うさを感じていた。
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