ふたつめ
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あの日、まだ炎柱だった杏寿郎の父がいなければ、
自分と妹は助からなかったかもしれない。
煉獄槇寿郎は多くの鬼殺隊員が朝陽たちの村の異変に気付かず通り過ぎようとしている中、
微かな朝陽の稀血の匂いと気配を感じ取り、
はるか遠くより駆けつけてくれたのだった。
先ほどの夢はその時のものだ。
そのあと、朝陽は自分と家族を襲った鬼を探すために、
怪我が治ったら鬼殺隊に入りたいと申し出た。
お館様は快く受け入れてくれたが、槇寿郎はひどく反対した。
身寄りが無くなったのなら煉獄家で面倒を見るから、
鬼殺隊ではなく別の道へ進むようにと諭してくださった。
しかし朝陽は鬼殺隊へ入った。
鬼への復讐に燃えるのはやめろと、
話を聞いて飛んできた炎柱様にものすごい気迫で怒鳴られた。
しかし怯える梓を抱きしめながら、
朝陽は耳の奥にまだ鮮明に残っている声を思い出した。
『稀血の目玉は極上だ。一度に食べてはもったいない、また食べに来るとしよう。それまで守るのだ、約束だぞ??』
鬼は残った目玉を後で食べるために、
自分たち二人を殺さなかったのだ。
「鬼は言いました、“また食べに来る”って・・・
それまでに、私が強くなります。絶対に負けないくらい、
強くなります」
一縷の曇りもない、まっすぐな眼差しで朝陽は断言した。
「槇寿郎様はご存じですよね。梓が鬼になっていると・・・
・・・・・・梓も私が守ります。
この子に戦いはさせない、人も殺させない!」
言っていることが無茶苦茶なのはわかっていたが、
あの時の自分には生きる目標が必要だっただけなのかもしれない。
突然家族ないなくなり、追われる身となった。
守らなければいけない存在があることが、鬼が残した“約束”が・・・
自分を奮い立たせて強くなるための理由が欲しかった。
ここ鬼殺隊では『鬼』は『鬼』である以上、『敵』としかみなされない。
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