いつつめ
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そうして今日も、三刻ほどで品物は完売した。
品物が無くなれば、梓はさっさと暖簾を仕舞う。
日向には出られないため長い棒を使って器用にしまうのだ。
店仕舞いが済むと、扉に施錠をし、今度は奥の食堂での仕事準備にかかる。
食堂は広い土間に、机と長椅子が複数置かれており、食事ができるようになっている。
横には厨房があり、土間との間には台があり中から簡単にやり取りができる作りになっている。
この部屋は建物の奥のため、外の光は一切入らないため、梓も安心して仕事ができる空間だ。
お客である隊士は、正面のお店の入り口は使わない。
外に続く元々の入り口はどこなのかはわからないが、地中より繋がっている入り口から入ってくる。
梓はまず厨房に入ると、前掛けを外して畳んであった割烹着に着替えた。
台の上に置かれた大きめの浅い桶の中には、水に浮かぶたくさんの
豆腐。
今日は暑いため、このまま氷を浮かべて冷奴として置いておこう・・・と梓は結論を出し、さっそく氷を出して樽の中に入れ、豆腐は食べやすいように4等分くらいの大きさに切る。
表の台の上に運び、横には黒い同じ形の小鉢を重ねて置く。
そばには添える用の細かく刻んだねぎ、かつおぶし、しょうがなどの薬味。
表向きがお豆腐屋さんのため、豆腐はいくらでも用意できるし、味も絶品。
ゆえに、こうして自由に採れるうえに、おかわりも自由なスタイルで提供しているのだった。
しかも味も日替わりで、今日は冷奴だが昨日は湯豆腐、その前は厚揚げ豆腐、焼き豆腐などなど。
勿論そのサービスは好評で、殆どの隊士がおかわりを所望する。
食事は定食スタイルだ。
こちらも日替わりでいくつかのメニューがあり、その日の食材や梓の気まぐれで特別メニューが出てくることもある。
豆腐の準備が終われば、昆布と煮干しが浮かんだ鍋にゆっくり火を入れ、てきぱき米をとぎ水に浸す。
竈に火をおこし、お釜を設置して米を炊く。
出汁を取った鍋に野菜を素早く切って入れて、柔らかくなる頃に豆腐を角切りにして入れる。
壺の中から味噌を掬い、鍋に溶いて味噌汁が出来上がる。
米が炊ける間に、味噌汁を煮込む間に朝もらった、成長不足や、時間が経ち古くなった野菜を血鬼術で大きくしたり元に戻し、美味しそうな野菜に生まれ変わらせ、調理に使う。
今日は野菜のてんぷらと魚の煮つけ、豚の生姜焼きの三つにしようか。
そう結論付けるとてきぱきあっという間に食材の下ごしらえが完了する。
お米がたけた頃にはすべてが準備万端だ。
「準備完了♪」
満足そうに梓が腰に手を当てて独り言を言う。
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