いつつめ
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「血鬼術・・・芽吹き」
言霊に応えるように、
畑から新芽が芽吹き、
ゆっくりと大きく成長したと思ったら花が落ち、
あっという間に大ぶりな実をつけ始めた。
長細い緑の房、枝豆だ。
実がなるとしばらく動きが止まったと思うと、
徐々に色が変わり、枝から水分が失われ、萎れていった。
そこで梓の髪の動きが止まり、
徐々に短くもとに戻ったかと思うと、目の色の漆黒に戻っている。
瞼を開くと迷わず畑に近づき、
枯れた苗を引き抜いては背負っている大きな籠の中に入れていく。
彼女の血鬼術は生き物の成長を操ること。
成長を早めたり、また巻き戻すこともできる
闘いに、役に立つかと言われれば微妙な気もする。
しかし、商いにはもってこいで、
便利な能力でよかったと思う。
てきぱきとすべての苗を籠に入れてしまえば、
もう一度袋に手を突っ込み豆を投げる。
これを今宵は3度繰り返した。
収穫した房付きの苗を次々と大きな振るいの装置に入れると、
左右に揺らせば小さな網の目から大豆だけが、ざるにバラバラ落ちる。
あっという間に大量の大豆が準備できた。
出来たばかりの大豆は、
水で洗って綺麗な水が並々注がれた桶の中で一日浸水させる。
下準備の工程が終わると梓は厨房の奥のほうへ向かう。
今から豆腐作りを始めるためだ。
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