ひとつめ
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次に目を開けたら、私が右目、妹の梓が左目を無くしていた。
それ以外は無数のかすり傷、鬼殺隊に保護されて手当されている最中だった。
鬼の言っていた言葉は本当だったみたいで、命までは奪われなかった。
痛みで動くことが出来なくて、見える目だけ動かして視界の隅に、殺された家族をちゃんと弔ってくれている様子が見えて、涙が流れた。
感謝しているけど、夢じゃなかったんだと・・・
でもどうして・・・
どうして梓まで目が無くなっているのか
梓・・・あれ?
なんだか様子がおかしくない?
髪の色、私と同じ藍色だったのに・・・
どうしてそんな白く・・・
白銀になっているの?
「梓・・・どうして・・・なんかへん・・・」
私の口から洩れた言葉に、赤い羽織姿の人影が近づいてきた。
「目が覚めたのか。よかった。」
男の人の声だった。低くて落ち着いた。
「出血がひどいところ申し訳ないが、お館様が会いたいそうだ。君たちを連れて行ってもかまわないだろうか?」
「・・・あの化け物について、教えてもらえますか?」
「ああ、安心しなさい」
「・・・・・・・・・」
妹の無事を確認して安心したのか、そのまま記憶が無くなってしまった。
突然誰かが訪ねてきて、家族が襲われて・・・
あっという間にみんな殺されてしまった。
お父さんもお母さんも、おじいちゃんもおばあちゃんも。
襲ってきた鬼に殺されて、目を食べられた。
「逃げなさい朝陽!梓!絶対に死ぬなっ!!死っ」
お父さんの最後の言葉が聞こえた。
腕の中にいる梓が暴れだしそうなくらい大きく震えていた。
自分の体の震えのせいかもしれなかったけど。
見た目はただの人間だった。
ちゃんと服を着て、二本足で立って、髪の毛も生えている。
でもその手の先に掌は見えなくて、到底肌の色とは程遠い色をしていた。
いろんな形に動いて気持ち悪い。
細くなったり長く伸びて気づいたらお父さんの目玉を器用に乗せて持ち上げている。
震えが止まらない。
自分たちもああなってしまったのか・・・