よっつめ ~妹のおもい~
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「それは危険だと思います。私たちは、もっと安全な場所でお姉さまは働くべきだと思います」
“お姉さま”?
娘たちからの意外な提案に、疑問符が浮かぶ言葉がいくつか聞かれた。
実は、朝陽は怪我が治るまで蝶屋敷で療養していたが、鬼になった梓は蝶屋敷にはいられなかった。
隊内の秩序の安定のために、産屋敷邸で静養していたのだった。
しばらくは、家族が襲われたトラウマに、慣れない環境に、体の変化に、姉と共にいられない寂しさに打ちひしがれ、ずっと微動だにしない日々が続いていた。
そんな彼女を不憫に思った奥方のあまねが、にちかとひなきに梓のことを話したのだった。
話し相手になってあげるようにと・・・
自分たちより少し年上の梓に二人は臆することなく話しかけにいった。
自分たちと似た髪の色をしている梓に、どこか親近感を感じたのだ。
「梓さんは、私たちより少しお姉さんですよね?では、お姉さまと、呼んでもいいですか?」
「毬つきはお好きですか?」
「・・・・・・・・・」
最初は無反応で話も耳に入っていなかっただろう。
しかし2人に毎日優しく話しかけられ、寂しかった気持ちが、自分を本当に、“姉”と呼んで接してくれる可愛い女の子たちに少しずつ心を開けるようになっていった。
あと三人の兄弟も徐々に加わり、五つ子全員から姉と慕われるほどに。
「・・・お前たちがそこまで、梓と仲良くなっていたなんてね。」
「お姉さまは、料理や八つ時を作るのがとても上手です。」
「家庭的で、とてもお優しいので、戦場は似合いません。」
時々こちらに遊びにきていただきたいですし・・・と、ついでのように本音を言うことも忘れないわが子たちに、お館様は珍しくため息をついた。
そんなこともあり、梓はしばらく近くの藤の家に住み込みで手伝いをすることになった。
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