二章
貴女のなまえは?
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「~~~っもういい!お前は魔法界についてあまり知らないんだな」
「マグル?よりは知ってると思うけど。お母さんからホグワーツのことや魔法界のこと、入学前にたくさん聞いたから」
「ふんっ、その程度じゃ知っているうちに入らないさ!
そうだ、お前の家系は一応純血なんだろう?日本の・・・なんていうんだ?魔法使いみたいなやつだったか?」
「あら、一年生の時に話したのに、ちゃんと覚えてくれてるのね!」
「当たり前だろう!!」
ふんっとどこか偉そうに言い放つドラコに、自信家だよな~この子・・・と感じつつも。
「当たり前ではないと思うけど??どうして当たり前って思うの?」
「っ///何となくだ何となく!!細かいこと気にするな!!」
肌の色も紙の色も白いからすぐに分かった。少し赤くなって顔を隠している。
理由はわからないけど自分の顔も自然と笑顔になってしまうのを不思議に思いつつシオンはそれ以上は追及しないことにした。
「魔法とは少し違うんだけれど、陰陽師っていうの。魔法と同じように言霊っていう呪文を唱えて、式を操ったり自然を操ったりするの。でも、陰陽師は代々正体を隠して受け継いできたものだから、表向きは神社の神主の家系よ。1000年くらいね」
「1000?!それはすごいな!それならきっと父上も何も言わないだろう。今年のクリスマスにうちに来ないか?魔法界についての文献が父上の書斎にたくさんあるんだ」
「魔法界についての勉強なら図書室でもできるけど?」
ホグワーツの蔵書数は日本の図書館の比ではなく、初めて見た時はうれしくて鳥肌が止まらなかった。
英語はまだわからない文言も多いが、お母さんに教えてもらった呪文のおかげでスラスラ理解できるようになった。
「ホグワーツでは閲覧禁止の間にも無いような本がたくさんあるんだ!お前はグリフィンドールのくせに、恐ろしい内容の物でも知識として取り入れたい性分だろう?だから興味があるんじゃないか??」
ふふんと自信満々にそういうドラコに、なんかわからないが気恥ずかしさを覚える。
図星で、まさにその通りだったから。
「よくわかったわね?」
「魔法薬や魔法史で、いつも教科書を擦り切れんばかりに隅々まで目を通しているだろう?細かな調合のテクニックまで、今までマグルの世界にいたとは思えないくらい、手際が良すぎる」
「・・・ドラコ、わたしのことよく見てるのね」
「・・・さあね。そろそろ失礼する」
「あ・・・」
芝生に寝転んでいたのにさっさと荷物をまとめて行ってしまった。
こうして週に一回くらい、ランチ終わりの時間にこの場所にいるとやってきて、他愛もない話をして帰っていく。
合同の授業が多いから顔は合わせるけど、それ以外で話したことは一度もない。
「・・・いっつも突然いなくなっちゃうんだから」
ホグワーツに来て友達はできた。
グリフィンドールで有名なハリーポッターや、ロン、ハーマイオニーともよく話すし一緒に授業に向かう。
上級生も話しかけてくれる。
しかしそれはあくまで同じ寮生に限っての話。
人種の違う自分はどうしても浮き気味で、他の寮の生徒と話したことは数えるほどで、どこか珍しいものを見るような視線がなんだか苦手で、自然と避けて通ってしまっていた。
本当はもっといろんな人としゃべったり交流していろんなことを知りたい。
でも出来なくて、ホームシックに近い状態になって一人になりたくてここに来るようになった。
初めて会った日はびっくりしたけど、二回目、三回目・・・気が付けば日課のように彼とここで話す日々が出来上がっていた。
「・・・授業中も、ドラコと話してみたいな」
そう思ったのはなんでか、その時の私にはわからなかった。