五章
貴女のなまえは?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
その日の夜から、校内ではネビルの爆発事故の噂が瞬く間に広がった。
翌朝にはもはやトップニュースだった。
もちろん、グリフィンドールの生徒たちは上級生も含めてネビルを励ましてくれた。
シオンの人柄をよく知る彼らは、彼女がネビルを許さないとか憎むとか、なんてことはありえないことを十分に理解しているからだ。
しかし、それ以外の3寮、特にスリザリンにとっては恰好の攻の餌となっていた。
発端はもちろんパーキンソンの言った「責任を持て」という文言。
「よかったじゃないかロングボトム!三年生のくせに婚約者が出来るなんてうらやましいぞ??」
「ほんとだよな~。小柄で黒髪のアジア系美人。お似合いじゃないかっ」
「純血の名門ロングボトム家も、これで安泰だよなv」
そんな言葉を校内を歩くたびに浴びせかけられ、ネビルは大きい体を精一杯縮こまらせて過ごさざるを得なかった。
スリザリン生たちがこぞって冷やかすのを聞いて、あまり事情を知らないレイブンクローとハッフルパフの生徒たちも何事と事情を聞きたがったが、グリフィンドールとスリザリンのみの合同授業で起きたことなので、現場を見た人間はこの2寮には存在しない。
ゆえに、又聞きの又聞きで、“親切な女子生徒の顔に一生消えない傷を負わせた最低な男”というレッテルが完成してしまったのだった。
先生直々に、そんな大それた傷ではないこと、薬できれいに治るものだということが説明されても、それは意味をなさなかった。
当事者の一人でもある、魔法薬に一番詳しいスネイプが直々に説明してくれれば事なきを得るのだが、そんな仏の心は持ち合わせていない。
ネビルも、マクゴナガルでさえそんなことは期待してはいなかった。
閉鎖空間な全寮制のホグワーツでは噂は直ぐに広まるし、イギリス人はいわずもがなブラックジョークが大好きだ。
グリフィンドールだが、ウィーズリー家の双子ですらネビルに
「シオンと婚約したって??やるじゃないかっ」
「結婚式のプロデュースなら僕らに任せろ??一生忘れられない式にしてやるって約束するさ!!」
である。
これをそばで聞いていたハーマイオニーの怒り様と言ったら、彼らの母親にも負けないほどの剣幕だった。
それに対して、女心が分かっていないと、双子とクディッチのチームメイトでもあるアンジェリーナやアリシアも加わって、昨夜のグリフィンドール寮の談話室はものすごく騒がしかった。
悪ふざけが過ぎると他の男子生徒も見守ったが、フレッドとジョージがそれを気に留めるわけがない。
まったく反省した様子もなく「冗談だって」で終わらせるのだから、ハーマイオニーはロンにその後もしばらく八つ当たりしないと気が済まなかった。
「とばっちりは勘弁してくれよ・・・」
「お兄さんたちの後始末は弟の仕事だよきっと」
「兄貴達だって本気なわけないだろ??シオンとネビルの結婚を本気で祝福なんて」
「そういう問題じゃないわよロン。あたしだって気分悪いわっ。ママに言いつけてやるんだからっ!」
「・・・それはやめてあげた方がいいんじゃないかなジニー。おばさんからの吠えメールが来ちゃうよ」
「いい気味よっ。あの二人はいつまでたっても学習しないんだもの、痛い目を見た方がいいんだわ」
そう言うとジニーは広げていた勉強道具をひっつかんで手紙を書きに行ってしまった。
後ろ姿を見送ったハリーが横を見ると、真っ白を通り越して青くなっている親友がおり、思わず肩を抱いた。
「・・・心配いらないよロン。・・・多分」
「絶っ対、明日か明後日にママからの吠えメールが届いて、僕も一緒に叱られるの決まってるんだ・・・お前が2人を止めないからだって・・・嗚呼・・・もうおしまいだ」
それ以上、ハリーは慰めの言葉が思いつかなかった。
10/10ページ
