五章
貴女のなまえは?
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出ていくまでドラコはシオンから目を逸らせなかった。
明らかに怪我をしていた。
しかも重症だ。
皮膚の色が変わっている部分を押さえて隠しているが、収まりきらないくらい薬品を被った範囲が広い。
しかもおそらく目にも飛んでいる。
その横でおろおろしているネビルが視界に入った途端、ドラコは心配の気持ちが一気に怒りに変わった。
「っおい!ロングボトムっ!お前のせいで怪我人が出たぞ!」
当たり障りない言葉を選んだつもりだが、それでも湧き上がる怒りが堪えきれずドラコはネビルに思いきり怒鳴った。
ネビルはビクッとして小さくなるばかりで言い返すことも出来ない。
「そうよ!純血のくせにやっぱり無能ねっ!グリフィンドールとはいえ女の子の顔をキズモノにしたのよ??責任取りなさいよねっ?!」
そう言い放ったのはスリザリンのパンジー・パーキンソンだった。
「っな!??」
すぐ横に居たドラコはパーキンソンの発言を聞き流すことが出来ず、素っ頓狂な声をあげてしまった。
しかし幸い、みんなの関心は“加害者”であるネビルに向いており、だれもそのことに気づいていなかった。
「責任って・・・」
「わからないの?グリフィンドール同士お似合いじゃない?」
ふふんっと、小ばかにした風に意地悪くほくそ笑むパンジー。
「東洋人の花嫁なんて嫌かもしれないけど、仕方のないことよね。クスクス」
同じく女子を中心に、スリザリン生の中にくすくす笑いが広がる。
話しの流れに、ドラコは顔色は変えなかったが内心ひどく焦った。
(ロングボトムがイズミと・・・結婚?!なんでそんなことになるっ)
「いい加減にしてちょうだいっ!そんなくだらないこと言っている場合じゃないのっ!!」
顔を真っ赤にしてハーマイオニーが思いきり机を叩いて怒った。
「シオンは大けがしてるのよっ!あなたの言う通り傷だって残るかもしれない!同じ女の子ならそれがどんなに嫌なことかわからないの?!本当にスリザリンって野蛮で最低よ!恥を知りなさいっ!」
顔を真っ赤にして一気に言い切った彼女の言葉に、グリフィンドールの女子を中心に、男子たちも軽蔑の眼差しをパーキンソンと先ほど含み笑いを漏らしていた取り巻きに向けた。
ハーマイオニーが言葉にしたことで、シオンの身に起こったことがもしわが身に・・・と想像できたスリザリンの女子たちは一気に顔が青ざめ、視線を誰とも会わせたくない風に彷徨わせた。
「ネビルもよ!?聞く価値のないたとえ話なんて相手にしないでちょうだいっ」
「あっうん・・・ごめん:」
「・・・うひゃ~~、女の子って怖い」
「気づくのが遅いぞハリー?僕の家ではママの次に強いのはジニーだからな?」
「・・・・・・・・・」
ハリーはロンの遠くを見つめる表情から、なにも言葉をかけることが出来なかった。
