五章
貴女のなまえは?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
スネイプが教室に現れて授業が始まり、本日の課題は『ふくれ薬』をペアで協力して完成させるというものだった。
1人で作るより、ペアで作ることは上手くいく場合もあれば、悪い場合もあって。
1人でなら、慎重に確認しながら行えばいいことだが、2人の息が合っていないと実は失敗しやすい。
「ネビル、心配ならシオンと組んでみたら?」
この科目があらゆる意味で大の苦手なネビルを見かねて、ハーマイオニーが提案した。
グリフィンドールの中でダントツに魔法薬が得意なシオン
ならと、ネビルもいつもより安心した表情になってくれたので、シオンも快く了承した。
調合はもちろん苦手だし、担当のスネイプは天敵だ。
ハリーはもちろんのこと、隙あらばグリフィンドールを減点、スリザリンに加点したがるスネイプもシオンには一目置いている。
点数は少ないが、シオンには素直に調合が正確なら加点してくれるのだからその扱いの違いは、長年スネイプのグリフィンドールいびりに苦しんできた上級生たちがこぞって「あり得ないっ」と天を仰いだ。
シオンの母親には魔法薬が適わないだけでなく、頭が上がらない何かがあるのではないか、とハーマイオニーは考えていた。
シオンはそんなことはないと思っている。
「多分シオンを自分の後継にしたいんじゃないかしら?」
「止めてくれよハーマイオニー。そりゃあシオンが先生してくれた方が僕らも授業は楽しいけどさ」
「「シオンがスネイプのお気に入りなんてなんか嫌だっ!!」」
「何言ってるのよあなたたちっ!!」
「あははっ;」
そんなこんなで、ネビルとシオンがペアを組むことになった。
その様子を無言で、ドラコはじっと見つめた。
睨んでいた、と言った方がいいくらいに冷たい視線だった。
「ご、ごめんねシオン。でも、すごく嬉しいんだ。よろしくっ」
「こちらこそ、ネビル。がんばりましょ?」
シオンの励ましに、ネビルは心底安堵したようで、持ち上がっていた肩が目に見えて少し下がった。
落ち着いてやれば、ネビルも出来ない子ではないことをシオンは知っている。
家系は純血らしく、どん臭いがところもあるが魔力もあり、得意分野である薬草学と魔法薬はよく似ている。
詰まる所、苦手な理由はスネイプだけなのだ。
「えっとまずは、干しイラクサを細かくすりつぶしてくれる?」
「わかった!」
スプーン2杯分、きちんとシオンが計って入れた。
ぎこちない動きだがゆっくり確実にすりつぶす様子を確認して、シオンも別の材料の準備に取り掛かる。
フグの目を三つ選んできて、同じくすり鉢の中で飛び散らないように丁寧にすりつぶした。
フグの目には多少の大きさの違いがあるので、適量を選ばなければ失敗しかねない。
魔法薬調合には、正確さと順応性が求められる。
必ず守らなければならない材料と、多少調整することで精度を上げることのできる材料をしっかり理解しているかどうかで、いくらでも可能性の広がる分野なのだ。
料理と似ている。
料理によって砂糖は少し多めでも問題ないが、塩や酢は多すぎると致命的だ。
このようなことが魔法薬にも求められる。
正確さだけがすべてではないと、シオンは母親に教わっていた。
