前章
貴女の名前は?
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あの頃、イギリスに来て何もかもが初めてで、私は有頂天になっていたけれど、いざ学校に入って、グリフィンドールに組分けされて、優しい上級生や同級生に囲まれて楽しい学校生活を確信していたし、不安なんて微塵も感じなかった。
同級生の中にハリー・ポッターという有名人?生き残った男の子がいるのは、お母さんから出発前夜に初めて聞かされた。
お母さんも会ったことは無かったけれど、そのお父さんとお母さんだという人の写真を見た。2人とも、いかにもイギリス人らしい美形で、優しい雰囲気のある人達だった。お父さんも、短い間だったらしいが、何度か会ったことがあるらしい。
目印は、額に稲妻の傷がある男の子だということ。
なぜそんな話をしたのか母に尋ねると、母はなにも言わず笑うだけで。
古い知り合いの子どもだから、同じ寮になったら仲良くしてあげて。とのことだった。
出発の当日にはお父さんからも、ハリー・ポッターにであったら、いろいろ助けてあげなさい・・・とだけ言われた。
そこまで気にかけている子なのに、今までイギリスに知り合いがいるなんて話は一度も聞いたことがなくて、ちょっと不思議だった。
まあいっか、そうやって当時はすぐに気にしなくなった。
数年後、その訳を聞くことになって、ある意味よかったのかもしれない。
あのときに、お母さんのホグワーツ時代の話を聞いてしまっていたら、私の学校生活は大きく変わってしまっていたと思う。
ホグワーツは魔法を学ぶ魔法使いのための学校で、私にも入学の許可が降りて、ダイアゴン横丁にも買い物に出かけて。
その学校はどんな場所か、学校の話をたくさんお母さんに聞きながら、入学の日を待ち焦がれていた。
学校のこと、授業のこと、日本の学校との違いはもちろん、こんな生物が魔法界にはいて、こんな魔法があって、魔法界のことをいろいろ教えてくれた。
魔法界に関する本が、図書室にたくさんあるから、入学して読んでみるといいと聞いて、さっそく今日借りてきた「ホグワーツ今昔」を読んでいる。
そこにはホグワーツの歴史がいろいろ書かれていて、お母さんは話してくれなかったけれど、魔法界での、ホグワーツでの寮同士の確執があることを知った。
入学式の日に列車の中で聞いた、日本ではまあ考えられにくい、イギリス
の文化というか、伝統的なものが魔法界にも存在しているんだなと妙に納得してしまった。
寮にはそれぞれ選ばれた人間が入る仕組みがあるらしい。長年それをになってきたのは組み分けぼうしというぼろぼろの帽子が決めてくれる。
自分で好きな寮には入れないらしくて。でも正直よくわからなないし、どこの寮でも別に構わないと考えていた。
自分の周りにいた子たちが絶対にスリザリンには選ばれたくないと言っていたが、日本人のいいところなのか悪いところなのか、好奇心もあって入ったら入ったでそれなりに友達もできて楽しめるのではないかと軽く考えていたが。
ハリー・ポッターを筆頭に、本当にスリザリンはほかの寮と仲良くすることが難しいのが目に余るくらいよく伝わってきた。
特にグリフィンドールとは絶対に・・・
グリフィンドールに選ばれた。お母さんの出身寮だったからかな?
アジア系は何人か見受けられたが完全な日本人は珍しくて、最初慣れない英語で質問攻め、紳士的な親切の嵐で戸惑ったっけ。
思えば異色な人種をなんとなく毛嫌いしそうなスリザリンではかわいそう・・・とか、帽子が情けをかけてくれたのかもしれない。
そんなこんなで、問題なくホグワーツでの生活をスタートすることが出来た。
ただ問題は自分自身にあって・・・
絶賛人見知り、一人の時間を求めてしまう性格のせいで、いつも仲良くワイワイしているのは苦手で疲れたしまうので、こうして一人に慣れる場所を見つけて、暇があればやってきてのんびりと暖かい場所で日向ぼっこをしながらリラックスする時間を持つようになった。というわけだ。