三章
貴女のなまえは?
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一年ぶりに正面から見るイズミは、髪が伸びて後ろで緩くまとめている姿がとても大人びて見えて、ドラコの心臓を一気にうるさくするには十分だった。
約半年前から突然話さなくなり、避けられてるのではとすら、さすがのドラコも感じるようになっていた。
元々シオンの場所だった、2人がいつも会っていた芝生の丘に行ってみても、姿はいつもなくて。
授業では顔を合わせることがあったが、今までは人前で話すことはなくても近くに居たりは普通だったというのに、近くに行けば遠くに行ってしまう・・・そんなことが2年生の終わりまで続いた。
ハリーポッターがスリザリンの継承者だとか、校内で不可解な事件も続いてドラコはシオンのことばかりを考えている訳ではなかったが、不吉な知らせを聞くたびに思ったことは・・・
(イズミは無事か‥?)
そう思ったのち、広間や授業でシオンの姿を見かけると、ほっと胸を撫で下ろしているのだった。
グリフィンドールとはいえ、自分がよく話す生徒が不吉な事件に巻き込まれるなんていくらなんでも気持ちのいいものではない。
それに敵対する相手とはいえ、英国紳士の騎士道に反する。
なんてカッコいい理由をつけて、シオンの身を感じる自分をずっとドラコは正当化してきた。
それがまさか夏休みにこうして再会することになるなんて。
それもノクターン横丁とは、場所が悪すぎる。
ダイアゴン横丁まで連れていきたいが、密着したこの体勢では動けない。
目立つ格好のままのシオンを堂々と歩かせては間違いなく興味をもたれ、最悪攫われかねない。
どうしようと考えているうちに、軍団の足音は遠のいて行った。
目に留まらなかったようで安心した。
「行ったみたいだな・・・」
「ドラコ?」
腕の中から聞こえた声に、無意識に力を緩めてその存在を確認すると、シオンとドラコの目がぱちりと合った。
「「・・・・・・」」
お互い少しの間何も言わず見つめ合った。
お互いの目を。
昔、「好き」だと言ったことをお互いに思い出しながらのことだった。
それぞれの国には珍しい瞳だからというのもあるが、ドラコのアイスブルー、シオンの黒く澄んだ瞳は、お互い魅力的に見えるのは何故だろうか。
「そういえば、イズミの目を見るのは久しぶりだな。」
「・・・そうね。ドラコの目も。前よりなんだか・・・」
『カッコいい』
その言葉は言ってはいけない気がして言わなかった。
「っ背が伸びて、・遠くなっちゃった?」
「フッ、なんだそれは」
「っっ」
こんなに近くで微笑まれたのは初めてで、それはシオンにとってはあまりに衝撃的で刺激が強すぎた。
慌てて思いきり顔を下に向けてそっぽを向く形になってしまった。
「この服、その、かなり薄いみたいだな。寒いんじゃないか?」
幸いその反応を見てドラコはシオンが寒いのではと勘違いしてくれたようだった。
しかし”薄いみたい”だなんて・・・
未だマントの中に包み込まれている姿勢なことに変わりは無くて、そのことを思い出したシオンは慌てて全身に力を入れて、ドラコから距離を取ろうとした。
「///あ、ありがとうっドラコ!もう大丈夫だから・・・寒っ」
マントから出ると一気に涼しい空気に包まれる。
シオンは思わず自分の体を抱きしめたので、そんな姿を見てドラコは少し笑うと、自分のローブを脱いでサッとシオンの肩を包み込んだ。
シオンはびっくりしてドラコを見上げた。
優しい視線が下りてきて、なんだかむず痒いような居心地の悪さを感じた。
「あ、そんなことしたらドラコが寒いんじゃ・・」
「僕はこのくらい問題ない。イズミの方が寒そうだ」
「・・・ありがとう。あたたかい・・・」
シオンはドラコの体温が残るローブがとても有難かったため素直にお礼を言った。
本当に嬉しそうに袖を掴んでいるシオンに、ドラコも自然と口元が緩んだ。
キリが悪いため、ここで一度切ります。
2026.4.8.
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