前章
貴女の名前は?
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『誰だ?生徒か?こんなところで何をやっているんだ??』
貴方からかけられた言葉は、そんな他愛もないものだったのに‥‥
まさかこんなに‥‥
*★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*
イギリスは寒いというのは有名で、出発前に両親に風邪をひかないようにとこれでもかというくらい、言い聞かされて渡英した。
が・・・
なるほど確かに尋常じゃない‥
夏なのに、強いて言っても小春日和がいいところで、あっという間に肌寒くなってしまう。
今まで当たり前のように四季を過ごしていた日本育ちの彼女にとってはかなりのジェネレーションギャップだ。
日光浴が大事とこちらの人は少々肌寒くても肌を露出しがちだが、あいにくそれは慣れない自分にはまだ厳しい。
そんな彼女には秘密の場所があって。
授業が空いた時間、城の南側に偶然見つけた日当たりのいい芝生の丘があるのだ。
天気が悪い日が多いイギリスでも、晴れの日も一応ある。
そんな日にぽかぽかの芝生の上に寝転んで日光浴をするのが、彼女のホグワーツに来てからの密かな楽しみだった。
留学経験のある母から話は沢山聞いていて、ある程度の覚悟はしていたけれど、こんなに気候が違うなんて思わなくて、授業中は寒くて堪らない日もある。
幸いこの場所は建物から見たら完全に死角、中にいては誰からも見えない場所で人通りは全くない。
だからというわけではないが、少し無防備になっても問題ないわけで・・・(笑)
初めての組み分けで、母親の出身寮であるグリフィンドールに決まり、ホッとして穏やかな学校生活が始まった。
昔から両親が魔法を使えること、母が魔法学校に通っていた話は子守歌、おとぎ話のような感覚で聞いていた。
魔法といっても、このホグワーツ出身なのは母だけで、父は魔法学校なんて出ていない。
ではどうして魔法が使えるのか??
それは、日本の古来の魔法、陰陽術のこと。
神社の家系だった父は昔から霊感みたいな力があり、それを見抜いた祖父からありとあらゆる陰陽術を学んだらしい。
力が強かったらしく普通に日本の学校でずっと過ごしていて、大学の時にイギリスに留学した。
そんな時に街中で現地のゴーストや動物と話しているところを母に見られて驚かれ、父が母に一目ぼれし、猛アタックの末結婚。
少し頼りなくマイペースな父が、控えめにも母を口説く姿を想像すると、面白くて笑ってしまった。
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