三章
貴女のなまえは?
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「あのさ?シオン。よかったら連絡先とか「シオン~!!ちょっと来てくれる~~??」
「あっ!は~い!!ごめん伏見君、何か言いかけた??」
「ああ・・・連絡先とか交換できないかなって思って・・・」
「連絡先?」
「文通とか・・・できないかなって思って・・・」
「男の子と文通って(笑)・・・でもイギリスから日本って手紙遅いし?それってなんか恋人がするみたいね?」
「シオン~まだ~~~?」
「は~い!じゃあね伏見君!」
「あ、ああ、また今度な!」
また今度、と言われた言葉にその時は特に気にも留めずにその場を後にした。
浴衣姿で髪飾りを付けて、自分の記憶の中より遥かに女の子らしくなっているシオンに、淡い想いを抱いている伏見少年の心中なんて知る由もなかったのだから。
「お母さんどうしたの?」
「あれって伏見さん所の大我くんでしょ?せっかく助けてあげたのに、どうして直ぐに来ないのよ?」
「助けて?どうして?」
お母さんの言葉の意図がいまいちわからなかった。
にんまりとどこか意地悪な企んでいるような笑みを浮かべて、お母さんは紙袋を渡しながら言葉をつづけた。
「あの子、夏休みのたびに帰ってくる貴女がどんどん可愛くなってるからって、気になってるみたいだって、伏見のお母さんが話していたのよ??」
「気になってるって?私が可愛くなってるのが??どうして???」
可愛くなっているかはわからないが・・・成長とともに背は伸びているし、昔のショートより髪も伸ばしているから印象も違うと思うけれど??
「どうやって可愛くなっているのかが気になるってこと??」
「っっっあははっ!!なによそれww最近の英国男子はそんなの草食かしら?お母さんが学生の頃はガツガツ口説かれたものだけど?」
「あ、それはあるけど・・・(恥ずかしいくらいストレートに告白しているのはよく見かけるし)私はあんまりだよ。東洋人だし、あまりみんなと一緒にいないから。」
「気になる男の子とか居ないの??同じ寮や違う寮に?」
「違う寮か~・・・・・・」
シオンはしばらく考えないようにしていたことを思い出して少し沈んだ。
祭りの賑やかさ、セミの鳴き声が少しだけ静かになったように感じられる。
ドラコにはあれから結局半年近く、話していないんだった。
いつか、ドラコは自分と話すのが嫌になる瞬間が来る・・・
それを自覚してしまったから、ドラコとこれ以上仲良くなるのはよくない。そう感じてしまった。
『穢れた血め』
『純血主義』
『マグルの血』
そんなワードが邪魔してくる。
「・・・お母さんは、「穢れた血」って聞いたことある?」
「!!そんな言葉をいう生徒がまだいるの??」
お母さんの顔色が変わった。