三章
貴女のなまえは?
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※この話は少し設定チックな内容となります。悪しからず
早いもので、今年私はホグワーツの三年生になる。
今は夏休み、日本に帰ってきている。
場所実家の場所は京都の郊外。
靜かな田舎町にある、少し大きめの日本家屋と、隣にも大きめの神社。
しかし世間一般的には安倍晴明の後継だとか、そんな大それた肩書は秘密にされていて、歴史は古いが稲荷神社などの大きな有名な神社とは程遠く、観光客も来ない。
本当に静かな場所だ。
緑も豊かで、夏の緑の紅葉があちこちでさわさわ、風に揺れているのを見ると、暑さも心地よくなる。
「シオン~~!ちょっと手伝ってくれない?」
「は~い!」
今は何をしているかと言うと、浴衣を着て夏祭りのお手伝い中である。
白地に大きな朝顔の柄が入ったお気に入りの浴衣で、お揃いで朝顔の簪もつけてみた。
一年生の時は短かった髪も、今は背中まで伸びた。
イギリスは天気が悪い日も多くて短いと寒いので、ロングの方が暖かくていいな~と学習し、今も伸ばしている。
しかし夏の日本ではさすがに暑い、大抵結んでいるし、今も上でまとめてアップにして留めている。
「ちょっとお父さんの所へ行ってくるから、店番お願いね?」
「は~い」
首より高い位置で髪を切り揃えているこの女性がお母さん。
名前は泉(イズミ)彩夏。
旧姓は藤原彩夏。
お父さんの姓は実は安部・・・なのを1000年ずっと隠して泉の姓を名乗っている・・・らしい。
「くじ引きさせてくださ~~~い!!」
「はいは~い」
元気な地域の子どもたちがお面や綿菓子を持って掛けてくる。
手伝いと言っても神社の出店のくじ引きの店番。
基本はお母さんがしているけれど神社のお客様が訪ねてくると相手をしなければならず、その間だけバトンタッチする形だ。
「あれ?シオンっ?!久しぶり!」
「え??」
子どもの後ろから自分と同年代の少年がゆっくりと歩いてきていた。
よくよくみると、昔のクラスメイトだ。
「そうだけど?
もしかして‥‥伏見くん?」
フルネームは確か、伏見大我くん。
小学校まではずっと同じ小学校で、クラスは一緒だったり違ったりだったけれど、名前の通り有名な神社の血縁者であるらしい。
でも分家のようで、神社に携わる仕事をしているでもなく親も普通のサラリーマンと観光関係の仕事をしている。
ご近所ということもあって小さい頃は何度か集まりで一緒になったり、家族ぐるみで遊んだこともあった。
お母さんが観光ガイドのボランティアに近いことをしているようで、伏見という苗字もしっかり利用している抜け目ない人だとお母さんが笑いながら昔言っていた記憶がある。
「お前最近全然見ないな?遠くの学校行ったんだっけ?」
「うん。ちょっと海外の学校にね・・・弟君の付き添い??」
「そうそう。祭りで母さんもあっちで忙しくしてるからさ~~。まあ張り切る張り切る」
「フフフ。おばさんらしいね」
「こっちは大変だって。・・・ちょっと気になったんだけど、海外の学校って・・・まさか語学留学?!」
「あ~~・・・」
普通の人には魔法の学校なんて信じてもらえないし、何より魔法界のことは秘密にする必要があるって授業でも習ったような・・・
「ほら、私英語得意だったから??もっと上手くなりたいなって?向こうの建物もすごく綺麗なんだよ!」
「へえ、なんだか楽しそうだな。どこの国?」
「?イギリス」
伏見君が少し寂しそうな表情をしたのは気にしないようにする。
まるで変な人を見るような視線??そんな気がしたから。