三章
貴女のなまえは?
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学校のあちこちではいろんな出来事が起きていて、
相変わらずロックハートはポンコツで。
「継承者の敵よ、気をつけよ」
不気味な血文字が廊下に描かれたのは昨夜のことだった。
そして今日朝早く寮を抜け出してみると、同じグリフィンドールの仲良し3人は何やらこそこそしているのが丘から見えていた。
誰も近寄らない女子トイレへ男子も引き連れて向かうなんて、ハーマイオニーも大胆だなと思いつつも、素早い動きと図書室でポリジュース薬についてのページを見ていた彼女の様子から、何をしようとしているかは想像に難しくはない。
「誰かに変身するのかな‥?また危ないことしないといいけれど」
そうして広げていた本を読みながら時間が過ぎていく。
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「シオン!!力を貸してほしいの!!」
「・・・うん??」
知らないふりをして聞いてみるけどなんとなく内容は想像できた。
ポリジュース薬は二年生が作るにしては材料も調合方法も複雑で難しく、出来上がりまでの期間も長いためその間に失敗する可能性だって十分にあり得る。
案の定ハーマイオニーの初めての挑戦は失敗に終わったようで、しかしいくら見直してもどこで間違えたのかが分からないらしく、もう一度作り直したいから、今度は手伝ってほしい、というものだった。
ポリジュース薬なんて、普通に学生していたらまず使うことのない魔法界でも特殊な薬なのだが・・・
お母さんがたまにお父さんの仕事を手伝うために別人に変装してついていくために作っていたのは見たことがあるが、その時に教えてもらった。
マグル出身のハーマイオニーはそんなこと知るわけもなく、こっそりではあるが堂々とお願いしてきているところ、知らないのだろうな・・・学校の規則破りまくっていることは自覚ある割に。
ということで、現在材料に必要な薬品の一つを乾燥させるために、いつもの丘の上に来て、適当な木の上を探している。
箒に乗るのはあまり得意じゃないシオンはローブを脱いで、腕まくりをして気合十分で箒に跨り、飛び上がろうとしているが・・・
「・・・片手がふさがっているせい??」
薬草を持っている手がふさがっているせいで、片手で箒を持っているだけで、地面を強く蹴っているつもりでも一向に箒はうんともすんとも動いてくれない。
「クディッチのみんなってどうやってあんなに自由に飛び回れるんだろう・・・」
これでは一向に作業が進まない・・・
「でも、この薬草確か日光浴びてないと意味ないんだったはず・・・」
曇天続きのイギリスでは本当に貴重な材料である日光。高い木の上に行けば届くはずなのに。
「どうしよう。仕方ない・・・ハリーにお願いしようかな」
「いつまでその格好でいるつもりなんだ?お前は」
「えっ???!!・・・あっ」
あれ以来何となく一方的に距離を置いてしまっていたドラコ・マルフォイだった。
一月ぶりくらいに見るその顔はなんだか別人のようにすら見えて、西洋人の成長期って早いんだな・・・と呑気に思ってしまったシオンだった。