二章
貴女のなまえは?
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「・・・・・・穢れた血??」
シオンはハリーたちと合流し、顔を真っ青にして嗚咽を繰り返す(何が出てくるかは言いたくない)ロンを見て驚かされ、一緒にハグリッドの小屋へやってきた。
何か薬を知らないか聞かれたが、流石にナメクジを吐き出すのを止める薬なんて知っているわけがない(笑)
そんな呪文があることすら初めて見た。
幸いにも吐き気をやわらげる薬はお母さんに聞いたことがあったような・・・という危うい状態だがとりあえず作ってほしいと頼まれたため、みんなとは少し離れた床の上でテキパキ調合をしている。
耳に入ってきた聞きなれない言葉にどういう意味かをハグリッドに尋ねたが、聞かない方がよかったのかもしれないと後で後悔した。
「ねえ、どういう意味なの?」
魔法界のことをあまり知らないハリーも初耳らしく、きょとんとして聞き返した。
それ以外の面々の深刻そうな険しい表情から、あまりいい意味で使われる言葉じゃないことだけはわかった。
「血が穢れてるってことよ!両親とも魔法使いじゃない人のことを言うの、私のようなね。・・・はじめて言われたけど、とても嫌な感じ。教養と常識のある人なら絶対口にしないような言葉よ」
完全にマグル出身の魔法使いのこと。
いかにもイギリスらしいというか、母に聞いた印象ではしっくりくるなとのほほんと考えてしまった。
階級とは優勢と劣勢が存在することで成り立つ。
マグルの世界でもそれが平然と人々の中で成り立っているのだから魔法界でもなにかしらあると思っていた。
日本人としては驚きを通り越して新鮮さすらある。
しかし、ハーマイオニーの目元に溜まっていく涙と怒りと悲しさを必死に唇をかむことで押し殺している表情を見ると、それは肯定されることではないことはさすがに伝わってくる。
「それ、誰に言われたの??」
「マルフォイだよ!!」
「えっ??」
思わず調薬していた手が止まってしまった。
・・・ボンッ
「あっ・・・ごめん。やり直すね・・・」
手を止めたことで薬は失敗。
シオンもよほどショックを受けたのだろうと解釈した面々は気にしないでと許してくれた。
しかし頭の中で渦巻いたことは少し違っていた。
マルフォイとハリーたちが特別険悪なのは知っている。
毎日のように会えば喧嘩、授業でも喧嘩、寮同士が最大のライバルということもあって仲良くなるきっかけも必要も一ミリもない間柄である。
しかし自分がいつも、裏庭で彼と会って、話をしているときのドラコは、いつも通りの彼ではあるが少し違う。
自信家で、どこか傲慢で俺様な口調、でも出てくる言葉は丁寧だし所作もきちんとしていて、何気に紳士的。
育ちの良さが感じられた。
そもそも裏庭以外の場所で彼と話したことはない。
誰かを交えて話したこともない。
必ず裏庭で一対一。
フクロウと鴉が一緒の時もあるが・・・