二章
貴女のなまえは?
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その日は小さな事件が起きる日だった。
きっかけは休日の朝、グリフィンドールのクディッチチームが闘技場に練習のために向かおうとした時・・・
その日、というかシオンは休日になると朝早くから寮を抜け出してほぼ一日中いつもの中庭にいるのが日課なのだった。
二年生にな界にも、中々に人口密集の比率が高いホグワーツ。一人の時間を過ごせる機会は談話室では中々訪れない。
朝早くまだ誰も来ない食堂で手早く食事を調達して、メニューによっては自分でサンドイッチを作って昼食もついでに用意して、暗くなるまでずっと本を読んだりぼ~っと景色を見たりする。
「日本に帰りたいな・・・」
ふとそんなことを思った時は、持ってきたアルバムを持ち出して日本の風景や両親の顔を見てさみしさを紛らわす。
12歳の子どものする事かと思ってしまうかもしれないが、休日に出かける事も出来ない全寮制の学校、かつ知り合いも極めて少ない異国の地では仕方のないことで。
だから来年になればホグズミードへの外出が許されるから、それが楽しみで仕方がないのだった。
思えば魔法界といっても、ダイアゴン横丁に母と行ったくらいしか魔法使いの町なんて知らない。だから暮らしぶりもいまいちわからない。学校の中みたいにすべてが魔法だったり意志を持って動いていたりするのだろうか??
そういえば今度、ドラコが家に遊びに来ないか、みたいなことを言っていた。
見るからにお坊ちゃん感満載だから、きっと召使が沢山いるような大きなお屋敷に住んでいるのだろうか。アットホームな一軒家なんて住んでいるなんて微塵も想像できない。見ただけで二事も三言も文句が飛んで出てくるだろう。
(ドラコの家、早くいってみたいな。本も気になるけど、魔法使いの暮らしってどんなものなんだろう)
『~~~~~』
『~~~~~っ!』
そう考えていた時、何やら遠くから言い争うような声が聞こえてきた。
『~~~~~なめくじくらえっ(ドーンっ)』
ロンらしき声と、何やら吹っ飛んだような音。
そして慌てるような声。
(ロンは杖がおかしくなってるみたいだったし、失敗したのかしら??)
他人事のようにそう思っていると
『~~~ハグリッドの所へ行こう!!』
『それよりもシオンを探しましょう??何かいい薬を知っているかもしれないわ!!』
(え?わたし??)
これはまずい。ハーマイオニーはシオンが魔法薬についてずば抜けて詳しいのを知っている。
母親のおかげで一通りの上級生が習う魔法薬まで作り方だけなら頭の中に全部入ってしなっているのだから。
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