1st
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「あっ・・・な、なんとなくよねっ?!なんとなーく似てるんじゃないかな~って」
かな以外の視線が一斉に自分に向き、彼女は慌てて発言の詳細を説明した。
事の違和感に気づかぬまま・・・
「・・・やっぱり似てると思うか?」
「ええ、お姉さんの髪はウエーブかかってるのね。そっくりとまではいかないけど、雰囲気も笑顔も思い起こさせるくらいには似てるんじゃない?」
そういえばこいつの永遠の「推し」は・・・
「は〜‥なるほど、成長した姉が、推しのアイドルそっくりになったのね。それはまぁ、御愁傷様?」
「どういう意味だよ。姉貴は姉貴だ」
「だからよ。シスコンシスコン言うけど、単なるカモフラージュで実は欲望押し殺すための言い訳に過ぎないんじゃない?」
「確かに・・・お兄ちゃんお姉ちゃんの前じゃ私より優しいし、犬みたいに大人しくなっちゃうし」
「犬言うな。・・・そんなことない。といいたいところだが、間違って無いのかもしれない・・・」
「はっ?マジで!!?」
元々ローズ(薔薇)が転生者じゃないことはすぐにわかった。
ルビーみたいに喋らなかったし。
いつも俺達2人が影で言い合いするのを不思議そうに、あるいはニコニコしながら見つめていた。
純粋な赤ん坊の成長を間近で見てきた。
時には寝かしつけたり、泣き止まないのをあやしたりととお世話もした。
無垢な表情、仕草、言葉などの一つひとつが単純に可愛くて、愛おしくて・・・
純粋ゆえに助けられたことも何度もあった。
しかし怖かったのは、大きくなるにつれて、少しずつアイに近づいているという現実だった。
髪質は違うが黒髪で、長い頃は本当に生き写しだった。
そのせいで危ない目にも合った。
それ依頼、髪を伸ばすのをやめたらしい。
「・・・下らないこと考えるなよ、有馬かな。姉貴はめちゃくちゃ可愛いから、悪い虫が昔から寄ってくるんだよ。碌でもない奴から気持ち悪い奴までそれこそ年齢までピンキリだ。幼児に顔を赤らめて必死になってプロポーズされた時は、姉貴も断るのが可哀想だって尻込みして‥お人好しすぎて困る」
「色々突っ込みところで満載な情報ありがとう。『碌でもない』が意味深なのはまぁ突っ込まないでおくわ」
「そうしてくれ。まぁそのうち会えるだろ」
アクアはそれだけ言うと事務所を出ていった。
「重症ね~。そんなに可愛いならすぐに彼氏だって出来るだろうし、大変ね~」
「やめてよロリ先輩・・・想像したくない。」
「あんたもシスコンなの??」
「お姉ちゃんのことは大好きだよ?
・・・でもお姉ちゃんに彼氏出来たら・・・きっとお兄ちゃん壊れる」
ゾクッ
気の所為か、いつものふざけたお馬鹿そうなルビーではなかった。
これはほんとうに不味い案件なのだろう。
(この話はここまでにしたほうが良さそうね)
何かを感じ取り、有馬はそれ以上星野姉の追求はしなかった。
(・・・嗚呼、頭が痛い)
やり取りを見ていて、平静を装いつつ脳内で必死に頭を抱えていた者がいたことは、今は誰も知らなかった。
(あの子にはすでに大切な人が居るって知ったら、この子達・・・)
どうなってしまうのか
fin.2023.12.30