3rd
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「・・・・・・」
しばしの沈黙が流れた。
2人は視線を逸らさない。まっすぐ、お互いの目を見ている。
ローズの瞳にも、特に取り乱した様子もなく、静かに相手をじっと見つめ返すだけだった。
「・・・言いたくないことは言う必要はない。俺も、ローズが守ってきたものを暴きたいわけじゃない。だがお前の抱えている不安には、何か大きな理由があるのではという気はする。俺の恋人は自分や俺の、生徒会や部活での立場が悪くなるなんて、そんなちっぽけな理由でここまで嫌がる人間じゃない。」
まっすぐ気持ちを伝えてくれる愛しい人に、涙が出そうになる。
嗚呼・・・なんて優しい人なんだろう。
全てわかっているのに、何も聞いてこない。
手塚の言葉を聞きながらローズは視界が歪むのを止めることが出来ず、涙が静かに流れ落ちた。
一旦言葉を切った手塚が歩み寄り、ローズの頬を優しくぬぐう。
「本当に嫌なら今のままでいい。ただ・・・周囲も受け入れてくれつつあるみたいだぞ」
「周囲??」
「不二が言っていた。学校の連中は、大半が俺たちの関係に気づいていると」
不安の表情を見せる恋人を安心させようと苦笑しつつ、頬に添えた手で少し皮膚をつまんでみる。
そしてポケットに手を入れ、教えてもらったあるものを見せた。
「スマホ?」
「初めて見たが、青学のオープンチャットだそうだ」
ドクンッ
ローズの顔色が少し悪くなった。
「・・・少し座るか」
周辺は少しずつ暗くなりつつあるが街灯のおかげで安全ではある。
ちょうどその場は公園で誰もいない。
ベンチまで手を引き、動きの悪いローズを半ば強引に座らせた。
そして自分のスマホを渡す。
少し帰りは遅くなってしまいそうだが、仕方がない。
*************
「遅い・・・・・・・遅い・・・」
家ではなかなか帰ってこない姉にアクアが痺れを切らしていた。
「部長の仕事で遅いのか・・・いや今日はもう帰ると友達同士のLINEのやり取りがあったぞ、とっくに学校は出ている。まさか途中で変な男に(ブツブツぶつぶつ)」
陰のオーラを出しまくるアクア。
「社長・・・?何なんですかあのシスコン男は。自分の姉なんですよね?正真正銘の。何かとんでもないワードいくつか聞こえてきたんですけど」
「何言っても無駄だから・・・相手にバレて、訴えられるようなことにならなければ、もう好きにさせてるわ・・・」
「う~~~わっ;;;」
これでは白い目で見られても仕方がない。
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