第一章 傷と熱

『焦す』

心臓を裂くと、熱が飛び出た
もう破らないと、神に誓う

傷痕を抉ると、過去を偲んだ
もう一度刻んでと、言えないまま

病熱を煩うと、あの子を見た
もう壊さないでと、月に乞うて

やめましょう、と呟いた
もう眠らないと、あの子は起きてしまうから
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