dark Knight
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さて、これからどうしようか。
こういう場合小説とかならトリップしたら何故か自分の家があるはずだけど、現実は違う。今の私は家どころか金さえもない。
そして今は人が完全に寝静まった夜・・・子供が一人で徘徊するのは色々とデンジャラスだ。どこか安全な寝床を見つけないといけない。家はその後何とかする。
「ん?」
あの人・・・
行くあてもなくブラブラと歩いていると、建物の壁に寄りかかって本を読む銀色の杖を持った全身タトゥーの黒い服の男を見つけた。
あの男の人・・・何か見覚えがある。
そうだ!思い出した。DMC5に出てきた新キャラのVだ!
まさか最初に会うのがあの人だなんて・・・普通こういう場合一番最初はダンテに会うのかと思っていたけど。
ちょっと声をかけてみようかな。
「・・・いや、やめておこう」
『何でだよ!声かけろよ!せっかく憧れのキャラに会えたんだからよ!アイツと関係を持てば他の奴らにも会えるんだぜ?』
確かにそうだけど・・・それじゃ意味ない。
私が彼に声をかけるんじゃあ意味がないの!
何かきっかけがないといけないのよ!
いい?私の中の私の設定はこういう設定よ。
ごく普通の幼女に見えるけど、実は悪魔の力で漆黒の美女ダークナイトに変身して悪魔を狩るデビルハンター。彼らには自分の正体が幼女だという事を隠している。
と言う設定で行きたいのよ。
『すごい理想だな。そんなんじゃいつまでたっても一人ぼっちのままだぜ中二病め』
何とでも言いなさい。さぁ、行きましょう。
心の中で悪魔にそう言って、本を読むVの近くを何事もなく通った。
コツ・・・コツ・・・
私の足音に気付いたのか、本から目を離しこちらを見た。
まぁ、当然か。子供が夜中一人でいるのだから、嫌でも目に入る。
目を合わさずに、表情を変えずにVの前を通り過ぎた。
いや、通り過ぎようとした。
「待て」
「・・・」
Vに声をかけられ、私は立ち止まった。
まさか、こんなに早くきっかけができるなんて。いや・・・私が子供だから気になって声をかけただけか。誰でもこんな夜中に子供が歩き回っていたら気になるにきまっているしね。
「あまり子供が夜中に一人で歩き回らない方がいい。最近ここらの近くで人が何人も消えたそうだからな」
「・・・そう。態々忠告ありがとう」
それだけ言うと再び歩きだし、その場から立ち去った。Vはそれ以上何も言わなかった。
しばらく遠くまで歩いた後、私はその場で力が抜けたかのように座り込んだ。
『おい、どうした?』
「・・・ヤバかった。まさか本当にあっちから声をかけてくるなんて思わなかったから」
『顔が不気味な程にニヤけてるぜ?そんなに嬉しかったのか?』
「嬉しいなんてもんじゃないわッ。すっごい嬉しかったんだから!だって本物が目の前にいるのよッ!?」
内に秘める興奮を抑えるように指を噛み、私は手足を震わせながら悪魔に言うと、悪魔は私の変貌に驚いたのか、押し黙ってしまった。
私の理想は・・・少しだけ違う形で実現した。
それは、私にとってとてつもなく喜ばしい事だ。ここからどうなっていくのか、とても楽しみだ。