サソリ夢
名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
私は暁学園大学2年の名前と申します。
毎日幸せ。
同じ学科でずっと好きだったサソリ君に告白して、見事OKのお返事をもらったのはもはや3ヶ月前のこと。
イケメンで頭も良くて、クールなんだけど、レポートが上手く書けなくて困ってたらさり気なくアドバイスくれたり優しい一面もあって…兎に角それはそれは完璧な人なのだ!
「ってかあのサソリ君がまさかOKするとは思わなかったー」
「今更!?」
同じ学部の親友の辛辣な言葉に些かモヤモヤするものがあったが、今の私は無敵!
OKの返事をくれた時のサソリ君の笑顔を思い出したら…
「きゃーーー!!」
「うわ!あんたうっさい!」
はっ!いかんいかん!
いくら誰もいない講堂とはいえはしたない!ごめんと謝る私に親友は続けた。
「でもサソリ君て、前は女の子との噂絶えなかったよねぇ。二股かけられないように気をつけなよ」
「やめてよー!そんな人じゃないよ」
確かに…サソリ君はあのスペックだから非常におモテになる。私みたいな凡人…って諦めようと入学してから今まで何度思ったことか。
あれだけ目立つとちょっとしたことで噂になる。
今までも耳にしてはその度に一喜一憂していた。
「ま、今のうちに楽しみなさいよ!今日は約束してないの?」
「何?!今のうちって?!あ、今日はサソリ君飲み会の約束あるから…終わったらうちに来てくれるって」
再びきゃーっとハイテンションの私を置き去りに
はいはい行ってらっしゃい、と笑う友人と別れて私は大学を後にした。
私の下宿してるアパートは大学生が多く住んでる街にある。
そのせいか若者をターゲットにしたお洒落な居酒屋とか多かった。
サソリ君もうすぐ飲み会終わるかなーっと思いながら、アパートに向かって歩いている時だった。
前方に大好きな彼の赤い髪が見えた。
「え?」
隣には女の子が歩いてる。
ただ歩いてるだけならまだしも、腕を組んで歩いてた。
友人の言っていた二股というワードが頭の中で響いた。
2人の後ろ姿はとてもただの友人とは思えない距離感だった。
「そんな…」
私は鈍器で頭を殴られたような気分だった。
思わず走り出した。
走って、走って、自分のアパートにたどり着いた。玄関を乱暴に解錠してそのまま部屋に雪崩れ込んだ。
靴も脱がずに玄関先で座り込んだ。
こんなことになるなんて…。
いや、そもそも自分なんかがあのサソリ君と付き合ってもらえることの方がおかしかったの
しばらく何もできずにそうしていた。
するとカバンの中のスマホがメッセージの受信を知らせた。
見るとサソリ君からで“終わった。今から家行く”とだけ来ていた。
どうしたらいいのだろう。
ただ、自分は往生際の悪いことにサソリ君に会いたかった。このまま見なかったことにすればサソリ君との関係を続けられるだろうか、とも思ったが…自分はそこまで器用な人間ではない。
気持ちがないのをわかってて一緒にいるのはきっとふられるより辛いだろう。
自分に会いに来てくれるなどこれでもう最後かもしれない。
サソリ君が来るとなって何となく鏡を見て化粧が崩れてないか見てしまうあたり、私は何かの間違いではと期待しているのだろう。
だがそれはないと、自分に言い聞かす。
隣を歩いていた女の子を思い出す。
綺麗な長い金髪を靡かせていた。
身長は高めでスレンダー、スカートから出た脚は程よく引き締まって黒いタイツが似合っていた。
「…私なんて歯が立ちそうにない感じだったな」
そこでインターフォンが鳴ってビクッとなった。
口から心臓が出そう!
なんとか深呼吸をして玄関に向かった。
「よぅ。悪いなこんな時間に」
「う、ううん!大丈夫!寒いね!中に入って!」
なんとか平常心を装う。
「あぁ、でもすぐ帰るわ。ちょっと顔見たかっただけだし…なぁ明日どっか行こうぜ」
あー、やっぱりすごく好きなんだと思う。
すぐ帰るって聞いて寂しくなって、明日また会えるかもと知ると嬉しくなって。
でも、はっきりさせないと。
「ね、ねぇサソリ君」
「?」
「さっき女の子と歩いてた…よね?」
「…見てたのかよ」
ショックだった。
焦る素振りも、誤魔化そうとする素振りもなくて、むしろちょっと怒ってるようで…。
私に二股がバレたところでどうってことないんだって思った。
そう思ったら今まで堪えてたものが溢れてしまった。
こんなところで泣くなんてずるい気がして悔しくてもうどうしたらいいかわからなかった。
「!な、おい、お前何か勘違いしてねぇか?」
「う、ぅぅー、っ‼︎」
勘違いって言うのはそもそも私は本命じゃないんだからとかそういうこと?!もう情けないことに涙は止まってくれない。
何を思ったか慌てた様子でサソリ君はまだ脱いでもなかったコートのポケットからスマホを取り出した。そしてその画面を見せてきた。
「!え、…これさっきの子…」
さっきの金髪の女の子だ、派手めなお化粧が似合う綺麗な子だった。さっき撮ったのだろう。2人とも今日見た服装で写っている。
隣にはサソリ君が不機嫌そうに写って…
「よく見ろ!男だよ!」
「…え、何がおと、…え?!」
そう言われてよく見てみる…確かに凛々しさを感じるような…。
「こいつ隣の芸大のデイダラだよ。何か服飾学科のやつに飲み会の罰ゲームで着せられて俺が巻き込まれて隣歩かされてたんだよ」
そう言ってその時のことを思い出したのだろうか。少し不機嫌そうに、恥ずかしそうに頭を掻いていた。
デイダラ君はサソリ君の話から何回か聞いたことがある名前だった。
「じゃ、じゃあ…私勘違い…」
「そーだよ。ったく、とんだ濡れ衣だぜ…」
「ご!ごめんね!後ろから見たらあんまりにも仲良さそうにしてたから…!」
サソリ君はため息を吐いて私の頬を両手でバシンっと包んだ。
「いでっ!」
「許さねぇ、今日泊まってくからな。あと明日は一日中付き合ってもらうからな」
そんなことで許してくれるの?むしろ私にとっては嬉しい提案。
「う、うん!うん!」
私は泣いてたのなんてすっかり忘れてて頷いた。
それを見てふっとサソリ君が笑ってくれた。
どイケメン…。
疑惑は晴れた。
「明日名前がこの前話してた犬の映画観に行こうぜ」
「え!私が見たいやつでいいの!?…好き!もー!好き!」
「何を今更」
毎日幸せ。
同じ学科でずっと好きだったサソリ君に告白して、見事OKのお返事をもらったのはもはや3ヶ月前のこと。
イケメンで頭も良くて、クールなんだけど、レポートが上手く書けなくて困ってたらさり気なくアドバイスくれたり優しい一面もあって…兎に角それはそれは完璧な人なのだ!
「ってかあのサソリ君がまさかOKするとは思わなかったー」
「今更!?」
同じ学部の親友の辛辣な言葉に些かモヤモヤするものがあったが、今の私は無敵!
OKの返事をくれた時のサソリ君の笑顔を思い出したら…
「きゃーーー!!」
「うわ!あんたうっさい!」
はっ!いかんいかん!
いくら誰もいない講堂とはいえはしたない!ごめんと謝る私に親友は続けた。
「でもサソリ君て、前は女の子との噂絶えなかったよねぇ。二股かけられないように気をつけなよ」
「やめてよー!そんな人じゃないよ」
確かに…サソリ君はあのスペックだから非常におモテになる。私みたいな凡人…って諦めようと入学してから今まで何度思ったことか。
あれだけ目立つとちょっとしたことで噂になる。
今までも耳にしてはその度に一喜一憂していた。
「ま、今のうちに楽しみなさいよ!今日は約束してないの?」
「何?!今のうちって?!あ、今日はサソリ君飲み会の約束あるから…終わったらうちに来てくれるって」
再びきゃーっとハイテンションの私を置き去りに
はいはい行ってらっしゃい、と笑う友人と別れて私は大学を後にした。
私の下宿してるアパートは大学生が多く住んでる街にある。
そのせいか若者をターゲットにしたお洒落な居酒屋とか多かった。
サソリ君もうすぐ飲み会終わるかなーっと思いながら、アパートに向かって歩いている時だった。
前方に大好きな彼の赤い髪が見えた。
「え?」
隣には女の子が歩いてる。
ただ歩いてるだけならまだしも、腕を組んで歩いてた。
友人の言っていた二股というワードが頭の中で響いた。
2人の後ろ姿はとてもただの友人とは思えない距離感だった。
「そんな…」
私は鈍器で頭を殴られたような気分だった。
思わず走り出した。
走って、走って、自分のアパートにたどり着いた。玄関を乱暴に解錠してそのまま部屋に雪崩れ込んだ。
靴も脱がずに玄関先で座り込んだ。
こんなことになるなんて…。
いや、そもそも自分なんかがあのサソリ君と付き合ってもらえることの方がおかしかったの
しばらく何もできずにそうしていた。
するとカバンの中のスマホがメッセージの受信を知らせた。
見るとサソリ君からで“終わった。今から家行く”とだけ来ていた。
どうしたらいいのだろう。
ただ、自分は往生際の悪いことにサソリ君に会いたかった。このまま見なかったことにすればサソリ君との関係を続けられるだろうか、とも思ったが…自分はそこまで器用な人間ではない。
気持ちがないのをわかってて一緒にいるのはきっとふられるより辛いだろう。
自分に会いに来てくれるなどこれでもう最後かもしれない。
サソリ君が来るとなって何となく鏡を見て化粧が崩れてないか見てしまうあたり、私は何かの間違いではと期待しているのだろう。
だがそれはないと、自分に言い聞かす。
隣を歩いていた女の子を思い出す。
綺麗な長い金髪を靡かせていた。
身長は高めでスレンダー、スカートから出た脚は程よく引き締まって黒いタイツが似合っていた。
「…私なんて歯が立ちそうにない感じだったな」
そこでインターフォンが鳴ってビクッとなった。
口から心臓が出そう!
なんとか深呼吸をして玄関に向かった。
「よぅ。悪いなこんな時間に」
「う、ううん!大丈夫!寒いね!中に入って!」
なんとか平常心を装う。
「あぁ、でもすぐ帰るわ。ちょっと顔見たかっただけだし…なぁ明日どっか行こうぜ」
あー、やっぱりすごく好きなんだと思う。
すぐ帰るって聞いて寂しくなって、明日また会えるかもと知ると嬉しくなって。
でも、はっきりさせないと。
「ね、ねぇサソリ君」
「?」
「さっき女の子と歩いてた…よね?」
「…見てたのかよ」
ショックだった。
焦る素振りも、誤魔化そうとする素振りもなくて、むしろちょっと怒ってるようで…。
私に二股がバレたところでどうってことないんだって思った。
そう思ったら今まで堪えてたものが溢れてしまった。
こんなところで泣くなんてずるい気がして悔しくてもうどうしたらいいかわからなかった。
「!な、おい、お前何か勘違いしてねぇか?」
「う、ぅぅー、っ‼︎」
勘違いって言うのはそもそも私は本命じゃないんだからとかそういうこと?!もう情けないことに涙は止まってくれない。
何を思ったか慌てた様子でサソリ君はまだ脱いでもなかったコートのポケットからスマホを取り出した。そしてその画面を見せてきた。
「!え、…これさっきの子…」
さっきの金髪の女の子だ、派手めなお化粧が似合う綺麗な子だった。さっき撮ったのだろう。2人とも今日見た服装で写っている。
隣にはサソリ君が不機嫌そうに写って…
「よく見ろ!男だよ!」
「…え、何がおと、…え?!」
そう言われてよく見てみる…確かに凛々しさを感じるような…。
「こいつ隣の芸大のデイダラだよ。何か服飾学科のやつに飲み会の罰ゲームで着せられて俺が巻き込まれて隣歩かされてたんだよ」
そう言ってその時のことを思い出したのだろうか。少し不機嫌そうに、恥ずかしそうに頭を掻いていた。
デイダラ君はサソリ君の話から何回か聞いたことがある名前だった。
「じゃ、じゃあ…私勘違い…」
「そーだよ。ったく、とんだ濡れ衣だぜ…」
「ご!ごめんね!後ろから見たらあんまりにも仲良さそうにしてたから…!」
サソリ君はため息を吐いて私の頬を両手でバシンっと包んだ。
「いでっ!」
「許さねぇ、今日泊まってくからな。あと明日は一日中付き合ってもらうからな」
そんなことで許してくれるの?むしろ私にとっては嬉しい提案。
「う、うん!うん!」
私は泣いてたのなんてすっかり忘れてて頷いた。
それを見てふっとサソリ君が笑ってくれた。
どイケメン…。
疑惑は晴れた。
「明日名前がこの前話してた犬の映画観に行こうぜ」
「え!私が見たいやつでいいの!?…好き!もー!好き!」
「何を今更」