夜の淵に咲く
名前変換
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煙が立ち込める中、3つの影がそこには佇んでいた。
「な!なんだこれは!?」
その影のひとつである猗窩座の拳は腹部を貫いていた。突如煙とともに現れた傀儡の真ん中を。
すぐさま猗窩座は拳を引き抜いた。その衝撃で傀儡の胴体部分の破片がそこら辺に飛び散った。
そして煉獄の前に立ちはだかったその傀儡を横に蹴り飛ばした。
「っ!!」
名前の足元には2つに破られた巻物が落ちていた。
それは今まで大切に持ち歩いていた禁術の巻物だった。巻物を破り、チャクラを解放したのだ。
しかしそれは到底コントロールできるものではなかった。今まで集めていたチャクラは水門が決壊したかのような勢いで溢れていた。
それでも名前は何とか一華をチャクラ糸で繋ぐ。
繊細な操作は全くできないが力任せに猗窩座にぶつけていった。
しかし猗窩座は相当素早く、捕らえることができない。
「何なのだ!?こんな鬼狩り…こんなやつ今まで見たことないぞ…っ!貴様から殺してやる!!」
操っているのが名前だと気付いた猗窩座は額に青筋を浮かべて一華の両足を横に蹴り飛ばし、なぎ払った。その衝撃で両足のパーツは粉々になってしまった。
「!」
猗窩座が名前と炭治郎に向かって突進してきた。
このコントロールができない状態で忍術を使えば、周囲の味方も巻き込むと判断した名前は日輪刀を抜刀した。
「よせ!逃げろ!」
煉獄が叫ぶ。
直接対峙した煉獄には、いくら風柱の弟子でも
猗窩座には勝てないと悟った。立ち上がって駆け寄ろうとするが間に合いそうになかった。
名前は日輪刀を構えず、猗窩座に向かって投げつけた。
「はっ!血迷ったか?!」
その日輪刀を難なく猗窩座が避けたそのとき。
名前の右手が動いた。
「がっ?!」
猗窩座の肩に、先程避けたはずの日輪刀が刺さった。
チャクラ糸を繋いでいたのだ。
しかし頸は狙えなかった。
コントロールも効かず、ただ轟々と溢れ出ていくチャクラはもう残りわずかだと感じた。
名前はすぐさま足元に転がっている炭治郎の刀を掴むと、猗窩座との間合いを詰めた。
「調子に乗るなよ!鬼狩り風情が‼︎」
猗窩座が一瞬で名前に突進し、爪を突き立てた。それはまっすぐ彼女の胸に刺さり、沈み込み、心臓を突き刺した。
「え…っそ、そんな!」
「名前!!!!」
炭治郎と煉獄が叫ぶ。
しかし名前だったものは煙となって消えた。
「ぐっ?!」
次の瞬間には、いつの間にか猗窩座の後ろに回り込んでいた名前が刀を振った。
漆黒の刃が猗窩座の頸に届く。
しかしチャクラ切れで今にも倒れそうだった。
刃は完全に頸を切断することができない。
「貴様は…何者だ!?」
その刃を猗窩座は手で掴んで押し返そうとした。
その時名前たちは見た。
東の山間から薄らと空が明るくなっているのを。
猗窩座もそれに気がついた。
目を見開き、顔色が一変して余裕のない様子が見て取れた。
「邪魔だ!どけぇぇ!」
強引に刀を引き抜ぬく。
同時に名前を殴り飛ばそうとしたが、
「女子に手をあげるとは!」
間一髪で滑り込んだ煉獄が刀で猗窩座の拳を受け止めた。
「もう貴様らにかまっている暇はない!!」
そう吐き捨てると猗窩座は後ろに跳び下がるり、構わず森に向かって走り出した。
「逃げるな卑怯者!!」
そんな猗窩座の前に丸腰の炭治郎が立ちはだかろうとした。
「どいつもこいつも…っ!!この虫けらどもが‼︎」
猗窩座の拳が炭治郎に迫った。炭治郎を守ろうと煉獄が最後の力を振り絞って型を繰り出そうとしたが、それより早く、猗窩座の拳は何かに噛み付かれた。
「これはさっきの…‼︎」
名前は意識も朦朧とする中で一華の頭部だけを操った。
すかさず煉獄が畳み掛けようと駆け寄ろうとするが、彼ももう立っているのがやっとだ。
「!!」
猗窩座の僅か頭上にはもう日光が迫っていた。
傀儡が噛み付いて離れない手首を自ら切断し、炭治郎にも構うことなくそのまま光の届かない森の中に突進していった。
もう後を追えるものはこの場にはいなかった。
皆その場に膝を着く。
名前は意識が朦朧とする中、砕かれ、あちこちに散らばってしまった傀儡を見た。
「ッ…、一華…」
名前は近くに残された傀儡の欠片を這いつくばって両手で集めた。この世界に持ってくることができた唯一の宝物だった。
「ごめんね…こんなに、してしまって」
作ってくれた彼に何と言おう。
いや、もう…謝ることもできないのだろうか?
破り捨てた巻物を目尻に、
名前はそのまま意識を失った。
「な!なんだこれは!?」
その影のひとつである猗窩座の拳は腹部を貫いていた。突如煙とともに現れた傀儡の真ん中を。
すぐさま猗窩座は拳を引き抜いた。その衝撃で傀儡の胴体部分の破片がそこら辺に飛び散った。
そして煉獄の前に立ちはだかったその傀儡を横に蹴り飛ばした。
「っ!!」
名前の足元には2つに破られた巻物が落ちていた。
それは今まで大切に持ち歩いていた禁術の巻物だった。巻物を破り、チャクラを解放したのだ。
しかしそれは到底コントロールできるものではなかった。今まで集めていたチャクラは水門が決壊したかのような勢いで溢れていた。
それでも名前は何とか一華をチャクラ糸で繋ぐ。
繊細な操作は全くできないが力任せに猗窩座にぶつけていった。
しかし猗窩座は相当素早く、捕らえることができない。
「何なのだ!?こんな鬼狩り…こんなやつ今まで見たことないぞ…っ!貴様から殺してやる!!」
操っているのが名前だと気付いた猗窩座は額に青筋を浮かべて一華の両足を横に蹴り飛ばし、なぎ払った。その衝撃で両足のパーツは粉々になってしまった。
「!」
猗窩座が名前と炭治郎に向かって突進してきた。
このコントロールができない状態で忍術を使えば、周囲の味方も巻き込むと判断した名前は日輪刀を抜刀した。
「よせ!逃げろ!」
煉獄が叫ぶ。
直接対峙した煉獄には、いくら風柱の弟子でも
猗窩座には勝てないと悟った。立ち上がって駆け寄ろうとするが間に合いそうになかった。
名前は日輪刀を構えず、猗窩座に向かって投げつけた。
「はっ!血迷ったか?!」
その日輪刀を難なく猗窩座が避けたそのとき。
名前の右手が動いた。
「がっ?!」
猗窩座の肩に、先程避けたはずの日輪刀が刺さった。
チャクラ糸を繋いでいたのだ。
しかし頸は狙えなかった。
コントロールも効かず、ただ轟々と溢れ出ていくチャクラはもう残りわずかだと感じた。
名前はすぐさま足元に転がっている炭治郎の刀を掴むと、猗窩座との間合いを詰めた。
「調子に乗るなよ!鬼狩り風情が‼︎」
猗窩座が一瞬で名前に突進し、爪を突き立てた。それはまっすぐ彼女の胸に刺さり、沈み込み、心臓を突き刺した。
「え…っそ、そんな!」
「名前!!!!」
炭治郎と煉獄が叫ぶ。
しかし名前だったものは煙となって消えた。
「ぐっ?!」
次の瞬間には、いつの間にか猗窩座の後ろに回り込んでいた名前が刀を振った。
漆黒の刃が猗窩座の頸に届く。
しかしチャクラ切れで今にも倒れそうだった。
刃は完全に頸を切断することができない。
「貴様は…何者だ!?」
その刃を猗窩座は手で掴んで押し返そうとした。
その時名前たちは見た。
東の山間から薄らと空が明るくなっているのを。
猗窩座もそれに気がついた。
目を見開き、顔色が一変して余裕のない様子が見て取れた。
「邪魔だ!どけぇぇ!」
強引に刀を引き抜ぬく。
同時に名前を殴り飛ばそうとしたが、
「女子に手をあげるとは!」
間一髪で滑り込んだ煉獄が刀で猗窩座の拳を受け止めた。
「もう貴様らにかまっている暇はない!!」
そう吐き捨てると猗窩座は後ろに跳び下がるり、構わず森に向かって走り出した。
「逃げるな卑怯者!!」
そんな猗窩座の前に丸腰の炭治郎が立ちはだかろうとした。
「どいつもこいつも…っ!!この虫けらどもが‼︎」
猗窩座の拳が炭治郎に迫った。炭治郎を守ろうと煉獄が最後の力を振り絞って型を繰り出そうとしたが、それより早く、猗窩座の拳は何かに噛み付かれた。
「これはさっきの…‼︎」
名前は意識も朦朧とする中で一華の頭部だけを操った。
すかさず煉獄が畳み掛けようと駆け寄ろうとするが、彼ももう立っているのがやっとだ。
「!!」
猗窩座の僅か頭上にはもう日光が迫っていた。
傀儡が噛み付いて離れない手首を自ら切断し、炭治郎にも構うことなくそのまま光の届かない森の中に突進していった。
もう後を追えるものはこの場にはいなかった。
皆その場に膝を着く。
名前は意識が朦朧とする中、砕かれ、あちこちに散らばってしまった傀儡を見た。
「ッ…、一華…」
名前は近くに残された傀儡の欠片を這いつくばって両手で集めた。この世界に持ってくることができた唯一の宝物だった。
「ごめんね…こんなに、してしまって」
作ってくれた彼に何と言おう。
いや、もう…謝ることもできないのだろうか?
破り捨てた巻物を目尻に、
名前はそのまま意識を失った。