造花の傀儡
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白いベッドの上で寝息ひとつ立てずに眠る美しい人を見ていた。
肌は血の気がなく、陶磁器のように白かった。
いつもは夕日のように美しい髪が、今は鮮血のように際立って見えた。
いつの間にかそのか細い呼吸すらやめてしまうのではと、かすかに上下している胸郭を見つめることしかできなかった。
「サソリ…」
失われた右腕の肘から下を見る。
今にも嗚咽とともに心臓がまろび出てしまいそうだった。
どんな事をしてももう取り返しがつかなかった。
歯を食いしばり頭を抱えた。
全て自分が産まれたことで招いた。
一番守りたいものをこんな風に傷つけてしまった。
サソリもあの悍しい自分の複製を見たはずだ。
もう…今までの2人ではいられないだろうか?
しかしその方が良いのではないだろうかとも思う自分もいた。
これ以上大切な人に、あの恐ろしい一族の手が触れるような事が許せない。
だが、その前にこの右腕だけは、償えないだろうか…
どうにかーー
「…月隠れの技術を使えばーー」
「…よせ…」
はっと顔を上げた。
琥珀色の瞳が朧げながらもこちらをまっすぐ見ていた。
「サソリっ」
名を呼ぶと、きっと手を握ろうとしてくれたんだろう。半分になってしまった右腕が動いて…それきりだった。
泣く資格なんてない。
わかってる。
でも、止められなかった。
無様なまでに溢れてくる懺悔や後悔、責苦が頬を伝って床に落ちた。
「ごめんなさいサソリっ…ごめんなさい…っ」
「名前…ごめんな、もっとうまく助けてやれなくて」
サソリは困ったような顔をしていた。
わかっていた。
こころのどこかでサソリは自分のことを突き放さないと…そこに甘えている自分に吐き気がした。
「やめろ…こんな事でお前を失いたくない」
どこまでも優しいサソリに何もしてあげられない。
「あいつらの力なんて必要ない。腕は俺がもっと最高のものを作る」
いつもの自信に満ちた顔でふと笑って見せてくれた。
サソリが今度は左手を伸ばしてくれた。それを躊躇わず握る自分は、やはりこの人から離れたくないと強く願った。
肌は血の気がなく、陶磁器のように白かった。
いつもは夕日のように美しい髪が、今は鮮血のように際立って見えた。
いつの間にかそのか細い呼吸すらやめてしまうのではと、かすかに上下している胸郭を見つめることしかできなかった。
「サソリ…」
失われた右腕の肘から下を見る。
今にも嗚咽とともに心臓がまろび出てしまいそうだった。
どんな事をしてももう取り返しがつかなかった。
歯を食いしばり頭を抱えた。
全て自分が産まれたことで招いた。
一番守りたいものをこんな風に傷つけてしまった。
サソリもあの悍しい自分の複製を見たはずだ。
もう…今までの2人ではいられないだろうか?
しかしその方が良いのではないだろうかとも思う自分もいた。
これ以上大切な人に、あの恐ろしい一族の手が触れるような事が許せない。
だが、その前にこの右腕だけは、償えないだろうか…
どうにかーー
「…月隠れの技術を使えばーー」
「…よせ…」
はっと顔を上げた。
琥珀色の瞳が朧げながらもこちらをまっすぐ見ていた。
「サソリっ」
名を呼ぶと、きっと手を握ろうとしてくれたんだろう。半分になってしまった右腕が動いて…それきりだった。
泣く資格なんてない。
わかってる。
でも、止められなかった。
無様なまでに溢れてくる懺悔や後悔、責苦が頬を伝って床に落ちた。
「ごめんなさいサソリっ…ごめんなさい…っ」
「名前…ごめんな、もっとうまく助けてやれなくて」
サソリは困ったような顔をしていた。
わかっていた。
こころのどこかでサソリは自分のことを突き放さないと…そこに甘えている自分に吐き気がした。
「やめろ…こんな事でお前を失いたくない」
どこまでも優しいサソリに何もしてあげられない。
「あいつらの力なんて必要ない。腕は俺がもっと最高のものを作る」
いつもの自信に満ちた顔でふと笑って見せてくれた。
サソリが今度は左手を伸ばしてくれた。それを躊躇わず握る自分は、やはりこの人から離れたくないと強く願った。